比較的大きなメーカーにありがちな話として、社内のしがらみのせいで通販の仕組みがなかなか整えられないといったことがあります。会計的に処理しやすいという理由で、決済方法が限られてしまっているケースです。
インターネットショッピングはもはや一般的な時代なのに、その事実を理解せずに「代引が最も安全」「代引の処理のほうが楽」というメーカーの内部事情から、消費者が購入しづらい状況を生み出してしまっているのです。
もし、本書をお読みのみなさんの会社で、決済の仕組みが代引きしかないというような状況なのであれば、すぐにでもカートシステムや基幹システムを見直して、最低でもクレジットカードの導入はするべきです。
いまや、ほとんどの決済サービスにはクレジットカードが含まれています。自社のシステムとの連携の面で難しいなど別の理由がある場合も、諦める必要はありません。なにかしら方法はあるものです。それだけクレジットカードの導入は大きく売上をあげる要素となり得るのです。
本気で商品を売ることを考えるなら、最も重要なことは顧客の視点に立つことです。実際にどのような状況で顧客が商品を買おうとしているのか、これを販売する側も理解しておかなければならないのです。通勤中の電車の中で買おうとしているのかもしれませんし、仕事の休憩中にPCから購入しようとしているのかもしれない。だからこそ、あらゆる状況を想定して、決済方法の選択肢は多くしておいたほうがいいのです。
クレジットカードだけでなく、代引き、コンビニでの後払い、AmazonPayや楽天ペイなど、対応可能な決済手段をしっかりと整えておくことも大事です。
通勤中の電車内で、スマホから商品を買おうと思ったとき、わざわざクレジットカードを財布から出すのはとても億劫なものですし、安全面での問題もあります。そんなとき、決済方法がクレジットカードしかないと、販売機会は失われてしまいます。しかし、例えば自社サイトの決済方法にAmazonPayが対応していれば、Amazonにログインするだけで決済ができるため、スムーズに購入まで誘導することができるのです。
このように、自社のシステムに顧客の生活動線を考えた機能を備えておくことは、とても重要です。