顧客に確実に届ける

顧客に確実に届ける(6) 化粧品・健康食品の関連法案

Judge gavel and law book on white background
クリームチームマーケティングでは150社250ブランドの支援実績と独自のノウハウを元に、戦略立案から施策実行まで一気通貫して支援しています。化粧品・健康食品D2Cビジネスに課題がある方はお気軽にご相談ください。⇒無料のパーソナルコンサルティングで相談する

関連法案を知らなければ落とし穴にはまる

化粧品や健康食品は、人の身体に直接作用するものです。そのため、アパレルなどの他の製品よりも安全性が強く求められます。こうした理由から、広告などを出す場合には表現に法律上の規制がかけられています。

化粧品や健康食品の広告を見て、「結局効果があるのかないのかよくわからない」という感想を抱いたことがある人もいるかもしれません。それは、規制の枠内で表現せざるを得ないからなのです。

化粧品・健康食品を販売するにあたって、知っておくべき法律は次の4つです。法律は、最初にその法律がつくられた目的が書かれていますので、目的と合わせて理解をしておきましょう。

 

これらの法律に抵触する場合、どんなによいものであっても、どんなに効果が立証されていたとしても、広告の枠内でしか表現ができません。たとえば「便秘が治ります」「老化を防ぐことができます」といった表現は薬機法の規制に反するため、それが事実であったとしても表示することはできません。

そのため、たとえば「便秘が治ります」ではなく「すこやかなお腹のために」とか、「老化を防ぐことができます」ではなく「10年先のお肌のために」というような曖昧な表現をせざるを得ないことが多いのです。

<化粧品・健康食品の関連法案>

顧客に確実に届ける(6) 化粧品・健康食品の関連法案 | 通販化粧品・健康食品業界に特化したコンサルティングとダイレクトマーケティング支援
顧客に確実に届ける(6) 化粧品・健康食品の関連法案 | 通販化粧品・健康食品業界に特化したコンサルティングとダイレクトマーケティング支援

会社の規模を問わず処分の対象になる

これらの法律に違反すると、措置命令や課徴金などの行政処分の対象になります。どのような罰則が科されるかは法律によって、また行為によって異なりますが、中には逮捕されて刑事事件になることもあります。

最近では、ある除菌剤の表示が「根拠がない」として景品表示法違反となり、措置命令が科されたことがニュースになりました。景品表示法違反で摘発されるケースは多く、令和3年には措置命令が23件、課徴金納付命令が12件となっています。

また、あるアフィリエイターが健康食品について「更年期障害に効く」などの表現を使って商品を紹介していることが摘発され、薬機法違反で書類送検されたケースもあります。取り締まりの対象は大手法人だけではありません。中小企業はもちろん、個人事業主も対象となっているのです。

さらには、広告主だけでなくインフルエンサーやYouTuber、広告代理店や制作会社、ライターやアフィリエイターも、こうした誇大広告の規制対象となり、行政処分などを受ける可能性があります。実際に、ある広告代理店が誇大広告で捕まったケースもあります。

このように行政処分などの対象になると、消費者庁のホームページに社名と処分内容が公開されます。また、ネットニュースなどで広く公開されてしまうため、ブランドイメージが大きく低下する恐れがあります。無用な損害を生まないよう、これらの法律には精通しておくことが非常に重要です。

wooden puzzle with caution sign. careful concept

特に今後注意するべきトピックス

これら4つの法律はどれも非常に重要ではありますが、特に今注意しておきたいトピックスについて紹介します。

①特定商取引法の改正

特定商取引法が令和3年に改正され(施行は令和4年6月1日)、定期購入に対する規制が強まりました。

定期購入については、トラブルが多く消費者センターなどに多くのクレームや相談が寄せられていました。定期購入であることの案内が不十分で消費者が定期購入とは思っていなかったといったケースもありますし、定期購入を始めたはいいものの、すぐに解約できずに揉めるなどのケースが相次いだのです。

それを受けて、今回の改正がおこなわれました。定期購入に関する改正内容は次の通りです。

・定期購入でないと誤認させる表示等に対する直罰化

・上記の表示によって申込みをした場合に申込みの取消しを認める制度の創設

・通信販売の契約の解除の妨害に当たる行為の禁止

・上記の誤認させる表示や解除の妨害等を適格消費者団体の差止請求の対象に追加

②景品表示法と健康増進法

景品表示法や健康増進法については、消費者庁が日常的に違反がないかチェックをしています。チェックの方法としては、検索エンジンを使って違反が多そうなキーワードで検索をかけ、出てきたサイトのなかに違反がないかどうかを調べるというやり方をとっているようです。

特に重点的にチェックされているのが、ダイエット系・育毛系・ウイルス系です。実際に消費者庁が発表している措置命令をまとめた資料でも、この3つについて摘発されている事例が多くありました。

消費者庁は定期的に「景品表示法に基づく法的措置件数の推移及び措置事件の概要」という資料を公表していますので、より詳しく知りたい方は、この資料を参照してください。

Exclamation mark drawn on wooden board over cork background with copy space.

この記事の著者

顧客に確実に届ける(6) 化粧品・健康食品の関連法案 | 通販化粧品・健康食品業界に特化したコンサルティングとダイレクトマーケティング支援
山口尚大EC・通販コンサルタント クリームチームマーケティング代表兼CEO
2006年より化粧品、健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援を行い、これまで150社250ブランド超の売上アップを実現。業界に特化した豊富な経験やノウハウ、リソースを提供している。

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・書籍と同名のコラムを日本ネット経済新聞にて連載中