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PR は、販売のためのネタづくり

商品が売れるようになるためには、品質がよいだけでは不十分です。どんなに品質が良かったとしても、誰にも知られていなければ売れようがないからです。そこで、私たちは認知を高めるために広告をするなどさまざまな施策をおこないます。

世の中には、一切広告を打っていないのに口コミだけで静かに広まっていく商品も確かにありますが、時間もかかりますし、よほどその商品に強いUSPがないと難しいものです。

商品を売るための施策のひとつがPRです。PRとは広告とは別の概念で、一言で言うと「商品を売るための話題を戦略的につくっていく施策」と言ってもいいかもしれません。マーケティングは広告とPRの両輪で考える必要があります。

「この商品はこんな魅力があって、△△が素晴らしいんです」と本人がアピールするのが「広告」ですが、本人がアピールしているだけでは説得力に欠けますし、なかなか魅力が伝わりません。

そこで重要になってくるのが、「あの商品は○○の魅力があって、△△が素晴らしいんです」という他人からのPRです。

何か気になる商品があるとき、その製品情報だけでなく、口コミやレビューを見て購入の参考にするという人は多いと思いますが、それは本人ではなく他人がPRしている情報に説得力があるからです。

顧客に確実に届ける(3) PR | 通販化粧品・健康食品業界に特化したコンサルティングとダイレクトマーケティング支援

価値をつけると、さらに大きな価値がつく

マーケティングとは、この「他人からのPR」を戦略的につくり出すことでもあります。商品が雑誌に取り上げられたら、それがネタとなってテレビから取材依頼が来たり、有名なセレクトショップから取り扱いたいというオファーが来たりするようになります。

それが更なる話題を呼んで、商品がどんどん盛り上がっていきます。もちろん、消費者からの注目度も確実に高まります。このようなPRを仕掛けていくことによって、雪だるま式に商品が成長し、売上があがっていくのです。

PRは、広告と違って短期間では結果が出ません。たった一度雑誌に掲載されただけでは、なかなか認知も上がりませんし、他の商品に埋もれていってしまいます。しかし何度も雑誌に掲載されたりして、定期的に話題にあがり続ければ、徐々に認知が広まって結果が出始めます。

短期的に取り組んで結果が出ないからと言って諦めずに、継続していろいろな施策を打ち出していきましょう。

商品やブランドに価値を付加するために効果的なのは、やはりオフラインメディアです。オフラインメディアには、「載ろうと思ってもなかなか載れない」媒体が多いからです。たとえば、SNSで発信したりブログを書いたりするのは誰でもできます。しかし雑誌の掲載やテレビ出演はどうでしょうか?

これらの媒体は、載りたい、出たいと思えば簡単に実現するものではないため、掲載されると「すごいな」と思われ、消費者からの商品を見る目が変わるのです。

Colorful wooden blocks with text VALUE. Cost of goods sold concept.

広告とPR はどのような比率でおこなうべきか?

このように、商品を売るための施策として、広告とPRの両方に取り組むことが必要です。広告をまったくせずにPRだけに注力しても、認知は高まったけどどこで買えばいいのかわからない、という現象が起こります。

ただ、PRに効果的なオフラインメディアは総じて高額です。テレビCM、雑誌の掲載などは1回数百万円することも珍しくありません。しかも、単発ではなく継続して施策を打ち続けるとなると、ずっとそれだけのお金がかかりつづけることになります。

私がクライアントから相談されたときには、「お金がかかりはしますが、投資と割り切って思い切ってお金をかけつづけてください」とお答えしています。お金をかけるだけの価値があるからです。

たとえば、@cosmeで1位を獲得したとしたら、広告でそれをどんどんアピールすれば、購買率が上がるでしょう。雑誌に掲載されたこともアピールしましょう。商品にそうした付加価値がついている方が、やはり消費者から圧倒的に選ばれやすくなるのです。

Young woman balancing on train track, low angle view, Bristol, UK

この記事の著者

顧客に確実に届ける(3) PR | 通販化粧品・健康食品業界に特化したコンサルティングとダイレクトマーケティング支援
山口尚大EC・通販コンサルタント クリームチームマーケティング代表兼CEO
2006年より化粧品、健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援を行い、これまで150社250ブランド超の売上アップを実現。業界に特化した豊富な経験やノウハウ、リソースを提供している。

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・書籍と同名のコラムを日本ネット経済新聞にて連載中