世の中にWebサイトの制作会社は何百社とありますが、カートシステムと同じく、それぞれの制作会社ごとに得意なことや強みが異なります。制作会社とはECサイトの制作後も運用面で長く付き合いが続いていくものですから、最初からしっかりと選んでおきたいものです。
制作会社を選ぶときに必ずチェックしていただきたいのが、次のポイントです。
<ECサイトやLP(化粧品や健康食品)をつくったことがあるか>
制作会社は、企業のコーポレートサイトの制作が得意な会社やランディングページ(=LP:ある商品の販売に特化した1ページもののウェブページ)の制作が得意な会社などさまざまです。そして、実績がない制作会社も少なくありません。
ECサイトをつくった実績がないことが事前にわかればよいのですが、制作会社によっては、自社の実績を増やしたいために、つくったことがないのに「できます」と言って受注しようとするケースもあります。メーカー側にECサイトのノウハウが豊富にある場合は別ですが、そうでなければ、できるだけ豊富な実績や経験がある制作会社を選ぶようにしましょう。
また、ECサイトの制作実績はあっても化粧品や健康食品の制作実績がない制作会社も、避けた方が無難です。とくに化粧品のECサイトは、これまでもお伝えしてきたように情緒的なデザインが求められますから、情緒的なデザインが得意かどうかも見ておきたいところです。
制作会社のホームページに事例が載っていなければ、求めるデザインと似ている制作事例を見せてもらうといいでしょう。
ランディングページの制作についても同様です。ランディングページの制作は上記で説明したようなECサイトとはまた別の制作能力が必要になってきます。広告を踏んだ後の最初の飛び先になることがランディングページの役割ですから、初めて商品を見たお客様に対して「ページの最初のインパクト」「情報を伝えるためのメリハリ」「文章の読みやすさ、訴求力」などさまざまな要素が高度に必要になってきます。ランディングページの制作はプロでも苦労する部分ですから、パートナーの選定には十分注意して進めましょう(ランディングページの作り方やノウハウは、これとは別に1冊の本が書けてしまうほどです。詳細は弊社にご相談いただくか専門書でご確認ください)。
<依頼するときには、目的やイメージを共有することが大切>
ECサイトの制作を依頼するところが決まったら、まず大切なことは、どのようなECサイトにしたいのかというイメージを制作会社としっかり共有することです。単に参考にしているサイトや雑誌、チラシなどを共有するだけではなく、どの要素がいいと思ったのか、参考にしたいのかについて、分解して伝えるようにしましょう。
参考サイトなどを共有せずに「ガーリーな感じで」「シックな感じで」などとイメージを文章で伝えても、正確に伝えることはできません。「このサイトの色味がナチュラルで好ましい」とか、「曲線が多く柔らかいイメージのところがいい」というふうに細かく要素を伝えることができれば、イメージの共有がとてもしやすくなります。
この記事の著者
- EC・通販コンサルタント クリームチームマーケティング代表兼CEO
-
2006年より化粧品、健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援を行い、これまで150社250ブランド超の売上アップを実現。業界に特化した豊富な経験やノウハウ、リソースを提供している。
・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・書籍と同名のコラムを日本ネット経済新聞にて連載中
最新の執筆記事
特別コラム2024年4月8日「世界観」をつくり、 確立する
勝ち続けるために2024年4月8日勝ち続けるために（４） 社内教育
勝ち続けるために2024年4月8日勝ち続けるために（３） 計画の見直しと重要指標の 再設定
勝ち続けるために2024年4月8日勝ち続けるために（２） KPIと施策レビュー