白い机に置かれた無地のノートとペン
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D2Cブランドの事業方針は「何のために」「誰へ」「何を譲らずに届けるか」を一文にまとめると現場の判断に使えます。書籍で「フライトプラン」と呼ぶこの文の作り方を記入例とともに示し、商品と価格と広告の矛盾を見つける方法を解説します。

※本記事の事例は守秘のため複数の案件を組み合わせて再構成したものです。本文中の数値は個別の実績を証明するものではありません。

MVVとペルソナをフライトプランにまとめる

仕上げにMVVとペルソナを1つの文につなげます。「私たちは〇〇を実現するために、〇〇の場面にいる人へ、〇〇を譲らずに商品と顧客体験を届ける」。この文が「フライトプラン」です。何のために、誰へ、何を譲らずに届けるのかという、数字の計画とは別の事業方針を表します。最初の〇〇にはミッション、真ん中にはペルソナの場面、最後にはバリューで守ることを入れてください。文につながらないときは、どこかの答えに見直す部分があります。

フライトプランは、答えを次の順に書き出してから作ると迷いません。

  1. 存在する理由と実現したい顧客の変化
  2. 最初に届けたい顧客が置かれている場面と購入をためらう理由
  3. 商品の売り方と顧客対応で譲らないこと。短期の売上が見込めても選ばないこと

各項目は一文に絞り、根拠は別に記録しておきます。顧客の声や創業時の出来事、過去に何を選び、なぜそうしたのかという記録です。根拠が残っていれば、後から担当した人も思い込みで判断せずに済みます。

記入例で答えをどこまで具体的に書くかを確認する

架空のメンズスキンケアブランドを例にすると次のようになります。

  1. 肌の手入れに迷う男性を減らすためにこのブランドはある。迷わずに手入れができ、自信を持って仕事へ向かえる状態をつくる
  2. 人前に立つ機会が増え見た目を整えたいが、何から始めればよいか分からない30代から40代の男性
  3. 初心者が毎日続けやすい商品設計と、迷ったときに相談できる顧客対応を提供する。難しい専門用語や効果を過度に約束する表現は使わない

ここでは答えをどこまで具体的に書くかを示しました。実際の答えは購入者の声や商品スペック、経営者の言葉から作ってみてください。

フライトプランで施策の矛盾を見つける

現場では、処方変更、値下げ基準、広告表現をフライトプランと照らし合わせてチェックします。外部の広告代理店やデザイナーにも、判断の根拠として同じ文言を共有して認識を合わせます。

実際の商品や表現が、フライトプランに書いた目的や相手、約束と矛盾していないかを確認してください。たとえば「初心者が迷わず毎日続けられること」を基準にするブランドが、難しい専門用語や多くの手順を求めれば、その約束とずれてしまいます。商品と顧客、表現を同じ基準で照らし合わせると、修正すべき箇所を見つけられます。

既存ブランドでも、現在の商品や価格、広告や顧客対応をフライトプランと照らし合わせてください。顧客の声と解約理由は、対象顧客を見直す材料になります。ブランドの存在理由は施策のたびに変えず、現場で使える言葉へ表現を磨いていきます。

MVVとペルソナは売りながら磨く

MVVとペルソナは作った後も磨き続けます。販売後は、市場の変化と、実際に買っている顧客や継続している顧客を分析します。誰が、どのような場面で使い、何に価値を感じ、なぜ選んだのか。そこで得た事実をもとに、現在の表現が顧客の感じている価値や生活の場面を捉えているかを確認します。

MVVを基準にしながら、広告、商品ページ、同梱物の言葉を顧客に伝わる形へ磨いていきます。ペルソナと実際の顧客を照らし合わせることで、伝える内容は少しずつ具体的になります。

本記事は『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』第2章p.46〜48を基に再編集しています。記事単体で読めるように書籍への参照を調整し、本文を「です・ます調」に整えています。

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この記事の著者

山口尚大
山口尚大化粧品・健康食品D2Cコンサルタント・著者
著書3冊|化粧品・健食D2C業界20年。150社250ブランドの実績。新規ブランド立ち上げから既存ビジネスの伸び悩み打開までを事業プロデュース。クリームチームマーケティング代表|日本ネット経済新聞連載中

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・最新刊『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』
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山口尚大

著書3冊|化粧品・健食D2C業界20年。150社250ブランドの実績。新規ブランド立ち上げから既存ビジネスの伸び悩み打開までを事業プロデュース。クリームチームマーケティング代表|日本ネット経済新聞連載中

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・最新刊『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』