三脚に固定したスマートフォンで動画を撮影する場面
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D2Cの広告クリエイティブを制作するときは事業の段階と目的に合わせて内製と外注を選びます。制作会社への説明と縦型動画の冒頭設計を整理し、LP到達後の購入や継続まで含めた評価とABテストの考え方を解説します。

クリエイティブをどう作るか 内製と外注、SNSの特性

クリエイティブを内製するか外注するかはビジネスの「フェーズと目的による」というのが私の考えです。ローンチ期は外注したほうがリスクを低くできます。「どんな訴求軸に反応があるか」を見極めることが最優先だからです。経験豊富な制作会社やフリーランサーに依頼すれば仮説の精度が上がります。

成長期には内製の強さが出てきます。毎週PDCAで改善を続ける段階で品質に直結するのは「ブランドの文脈を深く理解している」ことです。SNS広告では「昨日の配信結果を受けた今日の修正」という反応速度が勝負を分けます。

クリエイティブの制作では生成AIの利用がすでに広がっています。書籍執筆中にも状況は変わり、画像生成やコピー案の作成を社内で行う事業者が多くなりました。以前は外注していた画像やバナーの一部も、社内でAIを使って作成できます。AIを使う場合も訴求軸を決めるのは人です。AIにはMVVとペルソナ、使わない言葉のリストを渡してから案を作成させ、公開前の薬機法と表示の確認は人が行います。

代理店を使うときに失敗する原因は「お任せしすぎる」ことです。対象顧客の具体像と訴求の中心に加えて、設計の意図まで共有する必要があります。こうした依頼時の説明がブリーフィングであり、その質が制作物の質を決めます。「成果が出ない」ことの多くは代理店の能力よりも説明の薄さに原因があるのです。

SNS広告、特に縦型動画では最初の1〜2秒で自分に関係がある内容だと伝える必要があります。再生数が多くても購入につながるとは限らないため、動画からLPへの到達とLP上の行動、購入と継続は分けて検証してください。CPOが改善しないときは動画とLPの約束がずれていないか、購入意向の低い人を集めていないかが確認点です。体験談を使う場合も効果を保証する見せ方にしないでください。

実務の要点|動画の勝負は冒頭1〜2秒です。ただし成果は再生数でなく、LP到達から購入、継続までの数字で測ります。売れないときは、動画とLPの約束がずれているのか、購入意向の低い人を集めているのかを切り分けます。

動画広告の冒頭1〜2秒

縦型動画の冒頭は、生活者の言葉、疑問、利用場面など複数の型を作ります。自社の顧客に合うかは、条件をそろえた比較テストとLP到達後の行動で検証します。

冒頭で興味を持ってもらった後のメインの訴求では、誰がどの場面で商品を必要とするのかを、商品の事実と根拠がある範囲で伝えます。再生数だけで評価せず、LP到達、購入、問い合わせ、継続までをチェックしてください。反応が弱いときは、動画の入口とLPの約束までが一致しているかを先に確認します。

広告運用は媒体、リターゲティング、ROAS、ABテストの順に整える

媒体はそれぞれ「訪れる人の温度(購入意向)」と「得意な訴求」が違います。Meta・TikTokは低温で発見型、検索は高温で顕在層、YouTubeは「覚えてもらう」に向いています。

リターゲティング広告は強力ですが、同じ広告を見せ続けると「またこれか」という気持ちが購入を避ける理由になります。同じ人に広告が表示される回数(フリークエンシー)を管理し、クリエイティブを複数用意します。ROASとCPOは両方で評価してください。ROASだけを追うと既存顧客への配信に偏り、新規が細ります。

ABテストの落とし穴は「統計的に有意でない差で勝敗を決めること」です。サンプルが少ない段階で「Aが勝った」と見えても誤差の場合が多いため、一定のコンバージョン数が集まるまでは判断を保留します。結果が出たら勝敗の理由を仮説として言葉にしておくことが大切です。

本記事は『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』p.85〜87を基に再編集しています。記事単体で読めるように書籍への参照を調整し、本文を「です・ます調」に整えています。

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この記事の著者

山口尚大
山口尚大化粧品・健康食品D2Cコンサルタント・著者
著書3冊|化粧品・健食D2C業界20年。150社250ブランドの実績。新規ブランド立ち上げから既存ビジネスの伸び悩み打開までを事業プロデュース。クリームチームマーケティング代表|日本ネット経済新聞連載中

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・最新刊『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』
化粧品・健康食品D2Cは競争が激しく、正しい戦略や事例に学ぶことが成果を左右します。私たちが支援した150社の事例と最新の戦略をまとめたホワイトペーパーをご用意しました。→今すぐ無料で入手する

山口尚大

著書3冊|化粧品・健食D2C業界20年。150社250ブランドの実績。新規ブランド立ち上げから既存ビジネスの伸び悩み打開までを事業プロデュース。クリームチームマーケティング代表|日本ネット経済新聞連載中

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・最新刊『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』