ターゲットとしているユーザーが具体的に何を考えているのか、どういう価値観を持っているのか。こういった典型的なユーザー像を明確にするために、マーケティングではペルソナという架空の人物像を作ります。 実際にその人物が実在しているかのように、年齢や性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、家族構成……など詳細な情報を設定していき、架空のユーザーとして人格(ペルソナ)を与え、商品開発やユーザーの需要を把握するのです。
マーケティングの仕組みづくりを非常に効果的に展開している企業と言えば、ユニクロが参考になります。 ユニクロは「ブランディング」と「セールス」を上手く組み合わせたマーケティング戦略をとっています。オフィシャルサイトやテレビ CM では外国人モデルやアスリートなどを起用し、洗練されたイメージで商品が高品質であることをアピールしている一方、週末に家に届くチラシは洗練されたイメージとはかけ離れ、まるでスーパーのチラシのように価格の安さを全面的に押し出したセールス感の溢れるものとなっています。
つぎに、消費者に商品価値を伝えるには、どのような方法が効果的なのでしょうか。そこで必要になってくるのが「ストーリー」です。商品の成分や効果を箇条書きにして書き連ねても、その良さは消費者には伝わりません。しかし、ストーリー仕立てにして紹介することで、どのような商品なのか、使うことでどのようなメリットがあるのかを、わかりやすく具体的に伝えることができるようになります。
私が相談を受ける際に「御社の競合はどこですか」という質問をすることがありますが、担当者が競合している企業を明確に言えないことがあります。仮に企業名や商品名を挙げたとしても、それが本当の競合であるのか、どういった点が競合しているのかまでの分析ができていないことは非常に多いのです。
通販化粧品・健康食品業界のマーケティングで最近多いご相談は、CRM(カスタマー・リレーション・マネジメント)の強化です。 つまり、既存顧客に対してクロスセルやアップセルといった売上獲得の仕組みができていないというご相談です。一度商品を購入してもらえたのにもかかわらず、それが次の売上に繋がらないという点は、非常に多くのメーカーの課題となっています。
マーケティングのもうひとつの重要な目的に「セールスを不要にすること」というものがあります。これは、オーストリアの経済学者ピーター・ドラッカーの言葉で「売り込みをせずに自然に売れていく状態をつくりあげること」がマーケティングを行う究極の目的であることを意味しています。
マーケティングを一言で表現すると、「顧客をつくり、維持する仕組み」だと言えます。一度商品を買っていただいたあとにも、顧客と積極的にコミュニケーションを取ることで、関係性を強固に維持し、リピートをつくり出していくのです。この一連の流れを半自動的に仕組み化するのが、マーケティングです。一時的なものではなく、半永久的にお金を生み出すため、自社にとっての「資産」とも言えるでしょう。
こまで業界をとりまく環境の変化についてお話ししてきましたが、最後につけ加えておきたい重要なことがあります。それは人と組織運営の問題です。ここ数年、企業が人材を確保することが非常に難しくなっています。これは日本社会全体にも言え、化粧品・健康食品業界においても深刻な問題です。特に中小企業の採用の現場では「求めている人材が全く集まらない」と、悲鳴とも聞こえる声をよく聞きます。
化粧品・健康食品業界に関係する法律は、大きく2つの種類に分けられます。ひとつは商品を作るための法律、もうひとつは、作った商品を販売するための法律です。 まず、商品を作るための法律について、ここ10 年の流れを見るとゆるやかに緩和されているという印象です。もともと化粧品に関しては、2001年4月に薬事法に基づく化粧品の制度について大幅な改正が行われ、これまで厚生労働大臣の承認が必要であった「化粧品承認制の原則廃止」など大きく緩和されました。