白い台の上に置かれた無地の美容液ボトル
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D2Cの価格と初回オファーは通常価格への納得感と継続購入、粗利の回収まで含めて設計します。値引き以外で価値を増やす方法と、複数の商品があっても広告は一つの主力商品から始める理由を解説します。

※本記事の事例は守秘のため複数の案件を組み合わせて再構成したものです。本文中の数値は個別の実績を証明するものではありません。

価格が、誰に何を届ける商品かを決める

価格には誰がどの頻度で何と比べて支払うかまで含めた設計が必要です。製造原価と物流費を積み上げて事業を続けられる粗利を確認したうえで、対象顧客が通常価格に納得できる理由を商品と体験で作ります。初回を安くしすぎると通常価格との差が解約理由になることもあるため、入口の人数だけで決めずに継続と粗利回収まで確認してください。

実務の要点|価格は、誰へ何を届ける商品かを定めるものです。粗利LTVと回収期間から逆算し、初回価格と継続価格の落差を顧客が理解できる設計にします。

オファーは価格より価値を大きくする仕事

私がオファーを設計するとき根本にあるのは1つの式だけです。価格よりも価値が大きくなれば商品は必ず売れます。顧客は価格と価値を天秤にかけ、価値が上回った瞬間に買います。だからオファー設計とは、つけたい価格よりも大きな価値は何かを探し、価値の側を積み上げる仕事です。

積み上げ方には種類があります。割引や送料無料、分割払いの手数料無料、ポイント還元のように支払いの負担を軽くするもの。返金保証や無料相談、無料診断のように購入前の不安を消すもの。無料プレゼントや非売品のノベルティ、サンプルのように受け取るものを増やすもの。Web限定や期間限定のように手に入りにくさを作るもの。値引きは最も簡単で最も高くつきます。まず値引き以外で価値を積めないかを考えます。プレゼントには景品表示法の上限があることも忘れずに確認します。

そのうえで決めるのが入口の形です。定期での申し込みか、トライアルか、現品のお試し価格か。高級品として高価格で少数の顧客へ届けるのか、販売数量を重視して広く届けるのか。売上目標から逆算して対象顧客が通常価格での購入へ進む初回オファーを選びます。初回の売り方はその後の継続購入の仕組みを制約するため、入口だけの話ではありません。トライアルで入った顧客と定期で入った顧客では、その後の継続率も対応も変わります。

広告で打ち出す商品は1つに絞る

広告で打ち出す商品は1つに絞るべきか。それとも複数並べるべきでしょうか。私の答えはラインナップが複数あっても広告は1つの主力商品に集中するというものです。複数の商品を広告で同時に売ろうとすると在庫管理とLPなどの制作とCRMが複雑になり、顧客にも「どれを選べばいいか」という迷いが生まれて離脱につながります。

広告で打ち出す商品を1つに絞ると「何が特別か」「誰のためか」が伝えやすく、訴求を一点に集中できます。主力の購入回数ごとの継続率のデータが安定してから、2品目の広告を考えます。

実務の要点|広告で打ち出す商品は、最初は1つに絞ります。2品目の広告は、主力の購入回数ごとの継続率のデータが安定してから考えます。

実例:ラインは哲学でそろえ、広告は1つから始める

京都で独自素材のインナーケア(健康食品)を長く手がけてきた中堅企業が、アウターケア(化粧品)へ展開しようとしたことがあります。本業で培った独自素材への確信(「体の内側で支えてきた素材は、肌の外側からも支えられる」)を肌にも届けたいという発想でした。哲学は一貫していて、展開の動機も真っ当でした。

経営者は複数カテゴリーを早期に並べたいと考えていました。商品は同時に出しても構いません。ただ並べ方には哲学を通す必要があります。インナーもアウターも「同じ素材で、内と外から整える」という一点で説明できる限り、ブランドは一貫したままラインを増やせます。

哲学が縦串になっていれば展開は資産になり、なっていなければ「ただ商品が増えただけ」になります。

一方で広告は1つの主力商品から始めます。立ち上げ期に広告で手を広げすぎると、在庫もクリエイティブもCRMも複雑になり、どれも中途半端になるからです。ブランドを代表する1つの主力商品に広告を集中させて「このブランドでなければ」という選ばれる理由を作り、購入回数ごとの継続率のデータが安定してから、同じ哲学を共有する次の商品の広告を始めます。

本記事は『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』第3章p.60〜62を基に再編集しています。記事単体で読めるように書籍への参照を調整し、本文を「です・ます調」に整えています。

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この記事の著者

山口尚大
山口尚大化粧品・健康食品D2Cコンサルタント・著者
著書3冊|化粧品・健食D2C業界20年。150社250ブランドの実績。新規ブランド立ち上げから既存ビジネスの伸び悩み打開までを事業プロデュース。クリームチームマーケティング代表|日本ネット経済新聞連載中

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・最新刊『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』
化粧品・健康食品D2Cは競争が激しく、正しい戦略や事例に学ぶことが成果を左右します。私たちが支援した150社の事例と最新の戦略をまとめたホワイトペーパーをご用意しました。→今すぐ無料で入手する

山口尚大

著書3冊|化粧品・健食D2C業界20年。150社250ブランドの実績。新規ブランド立ち上げから既存ビジネスの伸び悩み打開までを事業プロデュース。クリームチームマーケティング代表|日本ネット経済新聞連載中

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・最新刊『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』