ノートパソコンのグラフを見ながら事業の数字を確認する人たち
化粧品・健康食品D2Cは競争が激しく、正しい戦略や事例に学ぶことが成果を左右します。私たちが支援した150社の事例と最新の戦略をまとめたホワイトペーパーをご用意しました。→今すぐ無料で入手する

広告を改善しても事業全体の数字が動かないとき

広告のCPAは大きく悪化していない。販売ページも更新している。CRMの配信も続けている。それでも、売上や利益の伸びが鈍くなり、次にどこへ投資すべきか決めにくくなることがあります。

長くD2C事業を続けてきた企業には、ブランド認知、顧客データ、商品開発の知見、現場を知る担当者がいます。課題は、こうした資産を持ちながらも、過去に機能した進め方が現在の顧客や市場に合いにくくなる点です。

この局面で必要なのは、個別施策を増やすことではありません。顧客、商品、販売条件、継続購入のつながりを事業全体で見直し、次の投資判断をしやすい状態に整えることです。

過去の成功パターンが今の事業を支えきれない理由

D2Cの成長期には、商品をつくり、広告から販売ページへ送り、初回購入を増やし、購入後の提案で継続につなげる循環が比較的明快でした。売上を次の広告費や商品開発に回せば、事業を拡大しやすい環境だったからです。

企業規模が大きくなるにつれ、広告、EC、CRM、商品開発は専門の担当部門へ分かれます。それぞれが数字を見て改善する体制は、顧客像や販売条件が大きく変わらない間は、力を発揮します。

一方で、顧客の比較行動や購入理由が変わると部門ごとの改善だけでは事業全体のずれを捉えにくくなります。広告は新しい顧客を集めているのに、販売ページは以前の顧客像に向けて作られている。商品は増えているのに顧客にとっての選ぶ理由が整理されていない。こうした状態では、各施策の数字が改善しても、利益や継続率へ結び付きにくくなります。

まず確認したいのは顧客との関係です

顧客は広告を見た後、口コミ、成分、価格、他社商品を見比べます。購入後も次に選ぶ理由が明確でなければ継続しません。新規獲得コストが上がり続けている今の環境では、初回購入の採算だけで広告投資を判断すると事業の見通しが立てにくくなります。

確認したいのは、今後増やしたい顧客が誰か、その人は何を期待して初回購入するのか、どの商品を選び、なぜ継続するのかです。この流れが見えれば広告で伝える価値、販売ページで説明すべき内容、購入後に案内する商品を一つの筋道で決められます。

商品にも役割があります。新規顧客との接点をつくる商品、利益をつくる商品、継続購入を支える商品です。役割が曖昧なまま品目を増やすと、広告、販売ページ、CRMの説明が散らばります。顧客から見ても、どの商品をどの順番で選べばよいか分かりにくくなります。

投資判断の前に4つの視点をそろえる

広告の数字を見るときは、次の4つを一緒に確認します。どれか一つだけを改善しても、他の条件が変わらなければ事業全体の成果は動きにくいためです。

確認項目確認する内容
今後増やしたい顧客は誰か過去に多く買っていた人と、これから増やしたい人は同じか。初回購入者は何を期待しているか。継続顧客は何に価値を感じ、どこで離れているかを確認します。
商品ごとの役割は明確か主力商品は新規獲得の入口か、利益をつくる商品か、継続購入を支える商品か。役割を決めることで、商品ごとの訴求、セット、購入後の案内をそろえられます。
販売条件は現在の顧客に合うか価格、セット、定期購入、初回提案、購入後の案内までを見ます。以前の成功を支えた条件が、現在の顧客の購入理由と合っているかを確認します。
誰が事業全体の優先順位を決めるか広告、商品、CRMの担当者がそれぞれ改善を進める中で、全体の優先順位を決める人は誰か。再設計では、この役割と判断に使う数字を明確にします。

4つは結び付いたチェック項目です。顧客像が変われば、商品が担う役割が変わります。商品が変われば、販売条件と伝え方も変わります。そこで得た数字を基に、次の投資判断を行います。

既存事業の資産を次の成長へつなぎ直す

既存事業には、ブランドを知る顧客、購入履歴、商品開発の知見、現場を知る担当者、広告や販売のデータがあります。これらは、新しい事業をゼロから始める場合には得にくい資産です。

見直す対象は、資産そのものではなく、資産の使い方です。以前に成果が出たクリエイティブ、長年の主力商品、部門ごとに定着したKPIが、現在の顧客にとっても有効かを確かめます。残すものと変えるものを分けることで、積み上げてきた資産を次の成長に生かせます。

たとえば、初回購入を増やしてきた商品があるとします。現在の顧客が、使い続ける理由や自分に合う選び方を求めているなら、入口商品の伝え方、セットの組み方、購入後の案内までを変える必要があります。クリック率だけでなく、継続につながる顧客が増えているかで判断します。

事業責任者が最初に決めること

ある程度売上規模のある大企業や老舗企業のD2C再設計は、担当部門だけでは進めにくいテーマです。商品、予算、顧客データ、外部パートナーへの指示を動かすには、事業責任者の判断が必要になります。

最初に、次の3点を決めます。

  • この事業を、維持、再成長、再構築のどの段階として扱うか。
  • 再設計の成果を、どの数字で判断するか。
  • 部門をまたぐ優先順位を、誰が決めるか。

この3点が決まると、広告、CRM、商品開発で何を先に進めるかを選びやすくなります。実行担当者にも、何を優先し、何を検証し、どこで見直すかが伝わります。

施策の前に事業の見取り図を作る

売上の停滞には、広告、商品、CRM、競合、組織など複数の要因が重なります。一つの原因に絞って急いで対処すると、次の投資が部分的な改善にとどまることがあります。

まずは、顧客がどこでブランドを知り、何を見て購入を決め、どの商品を選び、どこで継続するかを確認します。そこへ商品別の粗利、獲得費用、購入回数、担当組織、進行中の施策を重ねていきます。事業全体の見取り図ができれば、手を入れる順番と各施策に求める役割がおのずと決められます。

過去に機能したD2Cの成功パターンが、今の市場では合わなくなってきていることがあります。そのときはブランド資産と顧客接点を生かしながら現在の顧客に合う形へ組み直します。

クリームチームマーケティングでは、化粧品・健康食品D2Cに20年間携わり、商品、集客、販売ページ、CRM、収益構造を横断して事業を立て直してまいりました。既存D2C事業について、次に何を残し、何を変え、どの順番で実行するかを事業単位で整理します。

この記事の著者

山口尚大
山口尚大化粧品・健康食品D2Cコンサルタント・著者
著書2冊|化粧品・健食D2C業界20年。150社250ブランドの実績。新規ブランド立ち上げから既存ビジネスの伸び悩み打開までを事業プロデュース。クリームチームマーケティング代表|日本ネット経済新聞連載中

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・3冊目の書籍『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』(仮)を執筆中
化粧品・健康食品D2Cは競争が激しく、正しい戦略や事例に学ぶことが成果を左右します。私たちが支援した150社の事例と最新の戦略をまとめたホワイトペーパーをご用意しました。→今すぐ無料で入手する

山口尚大

著書2冊|化粧品・健食D2C業界20年。150社250ブランドの実績。新規ブランド立ち上げから既存ビジネスの伸び悩み打開までを事業プロデュース。クリームチームマーケティング代表|日本ネット経済新聞連載中

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・3冊目の書籍『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』(仮)を執筆中