スマートフォンで投稿やメッセージを確認する手元
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D2CのSNS運用では顧客の質問や利用場面に応える発信を続けます。UGCは利用者が作成・投稿したコンテンツです。投稿を依頼する相手の選び方と商品提供時の条件を整理し、投稿の再利用やLINEへの導線を事例とともに解説します。

※本記事の事例は守秘のため複数の案件を組み合わせて再構成したものです。本文中の数値は個別の実績を証明するものではありません。

SNSを販促ポストの連続にしない

SNSは商品を売り込む場所というより顧客との関係を育てるチャネルです。ブランドの考え方を知り、使い方を学んで質問し、他の利用者を知るという接点を商品が必要になる前から持てることに意味があります。毎回購入を求めてしまうと買う予定がない期間の顧客は離れてしまいます。

発信内容には顧客の質問への回答、商品の使い方、開発の途中、方針を決めた理由、顧客の声、季節の利用場面などがあります。ブランドの哲学と関係がない話題を、反応が取れるという理由だけで増やさないでください。一方で完成した世界観だけを見せ、顧客が参加できない状態にもしません。質問、投票、相談、試用の感想など、顧客とコミュニケーションできる入口を作ることも大切です。

SNSの担当者へ投稿本数だけを課すとブランドの哲学から遠い話題や強い表現が増えやすくなります。月ごとに発信の目的を決めます。誰のどの場面を助けるのか。何を知ってもらうのか。どの反応を次の改善へ使うのか。いいねの数に加えて保存とコメントと質問も確認します。指名検索や再訪や購入後の継続との関係も見ていきます。

批判や問い合わせが届いたら謝罪して終わりにせず、表現やサービスの改善につなげます。そのために必要なのが内容の分類です。事実確認が必要なのか、使用方法の説明で解決するのか、品質や表示の修正が必要なのかを分けてください。個別情報を含む内容は公開の場で扱えません。返信の速さより顧客の安全と正確さを優先してください。

インフルエンサー、ギフティング、UGCは人数よりブランドや対象顧客に合うかで設計する

ここで扱うのは、顧客に近い発信者へ商品を配って投稿を増やす施策です。媒体社や有名人、美容関係者へのギフティングはPRの施策として扱います。

商品の無償提供を大量に行えば投稿が増えるとは限りません。ブランドと関係の薄い相手へ広く配ると、使われない商品と似た内容の投稿が増え、顧客にとっての意味が薄くなります。最初に、対象顧客との重なり、普段の発信、商品を使う場面、ブランドの価値観との適合を確認してください。

依頼時に、肯定的に書くことは求めません。言ってよい効能、避ける表現、写真で誤認が起きる見せ方、公開期間、二次利用の有無を共有します。投稿者の言葉を尊重することと、法令や広告であることの表示を守ることは両立します。

投稿を依頼するために過度な特典を付けると、自然な顧客の声とは異なるものになります。

依頼、商品の無償提供、報酬など事業者の関与がある投稿は、表示全体から広告だと明瞭に分かるようにします。特定の一語を入れれば十分とは限りません。投稿の冒頭、画像、動画、説明文を合わせて確認し、公開前に景品表示法と媒体のルールを確認してください。

投稿を広告やLPへ再利用する場合は、本人の許可を取り、使用範囲と期間を確認します。元の投稿が適切でも、前後を切り取った広告では効果を保証する印象になることがあります。編集後の表示全体をもう一度確認してください。投稿されたという事実だけで、企業が自由に使える素材にはならないからです。

評価は投稿数と再生数だけにしません。どの顧客が反応したか。商品ページへ進んだか。購入後に継続したか。問い合わせや誤解が増えていないか。少人数でも、対象顧客が具体的な利用場面を理解し、長く参照される投稿なら資産になります。短期の露出と顧客の商品への理解度を分けて評価することが大切です。

休憩中にスマートフォンを操作する手元

実例:商品を売らないアカウントで、顧客が集まる入口を作った

糖質の吸収を抑えるサプリを販売する企業が、商品のPRアカウントの代わりに「夜中に食べると罪悪感MAXグルメ」というInstagramアカウントを開設しました。ポテチ、ピザ、アイス、ラーメン。夜中に食べたくなるグルメを日替わりで紹介するだけのアカウントです。投稿では商品を売りません。「罪悪感」という共感の軸で対象顧客が自然に集まり、後から「最近これを飲んでいます」とさりげなく商品を紹介する流れを作りました。

設計の起点は「このブランドを知ってほしい」より前にあります。「対象顧客が自然と集まる場は何か」を先に考えたことで広告の外に顧客との接点が生まれ、売上はその先で生まれるのです。プロフィールのリンクからLINEや診断LPへ進んだ人は、登録後の配信で自分に合う理由を理解して購入へ向かいます。SNSが共感と前振りを担い、その先の導線が販売を受け持つ設計で、広告と比べてCPOを4割以上下げました。

D2Cの進路は広告とLPで新規を獲得し続ける方法の1本に限りません。売らない発信や顧客同士のつながりから認知が広がるブランドもあります。ただしアカウントを運営して発信を続けるには労力がかかるため、自社で継続できるかの確認が必要です。対象顧客と共感の軸が重なり、指名と紹介と継続につながる見込みがあるかも考えたうえで、成立する場合の選択肢として扱います。

広告表現の確認に使う公式資料

本記事は『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』p.89〜92を基に再編集しています。記事単体で読めるように書籍への参照を調整し、本文を「です・ます調」に整えています。

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この記事の著者

山口尚大
山口尚大化粧品・健康食品D2Cコンサルタント・著者
著書3冊|化粧品・健食D2C業界20年。150社250ブランドの実績。新規ブランド立ち上げから既存ビジネスの伸び悩み打開までを事業プロデュース。クリームチームマーケティング代表|日本ネット経済新聞連載中

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・最新刊『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』
化粧品・健康食品D2Cは競争が激しく、正しい戦略や事例に学ぶことが成果を左右します。私たちが支援した150社の事例と最新の戦略をまとめたホワイトペーパーをご用意しました。→今すぐ無料で入手する

山口尚大

著書3冊|化粧品・健食D2C業界20年。150社250ブランドの実績。新規ブランド立ち上げから既存ビジネスの伸び悩み打開までを事業プロデュース。クリームチームマーケティング代表|日本ネット経済新聞連載中

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・最新刊『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』