無地の茶色い買い物袋
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D2Cの販売チャネルは売上に加えて顧客がブランドを知ってから継続購入するまでに果たす役割で評価します。自社ECとモール、卸・店舗とポップアップの使い分けを整理し、各接点から自社ECへ進む導線の作り方を解説します。

チャネルごとに売上以外の役割を持たせる

自社ECとモールと卸、店舗とポップアップでは顧客に果たす役割が違います。ブランドを知る接点から比較や実物に触れる場、購入とリピートを支える場所まで、それぞれが担う役割を同じ商品の売場として一括りにはできません。単月の売上だけで比べると発見や信頼を作る接点を早く切り、顧客との関係が残らない売上だけを追うことになるのです。

自社ECは商品の背景と選ぶ理由を十分に伝え、購入後の関係とデータを自社で持つ中心になります。価格や定期条件を柔軟に設計できる一方、人は最初から集まってきません。広告、検索、SNS、紹介など、入口を別に作る必要があります。

モールはすでに買い物をしている人が商品を検索して比較し、試す入口になります。出店する目的は発見される場所を増やすことです。自社ECの代わりと考えるものではありません。手数料と価格とレビューに加えて、発送主体と同梱物の可否も確認します。モールで出会った顧客が次は自社ECを選ぶ仕掛けを作ります。

卸と店舗は実物に触れ、相談し、第三者の説明を受ける信頼の接点になります。化粧品の使用感、香り、容器の大きさは画面越しには伝わりにくいものです。健康食品も、利用場面や続け方を対面で確認できます。ただし店頭での説明と自社ECでの約束が違って見えれば、購入後に混乱が起きます。販売員とはMVVと商品説明の表現を注意深く共有する必要があります。

ポップアップは短期売上だけでなく、顧客の反応を観察する場としても使えます。立ち止まった理由、最初に触れた商品、質問、迷い、購入しなかった理由を記録します。会場限定の値引きだけで集めると、通常価格で選ぶ顧客像は分かりません。何を検証するべきか狙いを定めてから実施するのがよいでしょう。

自社ECとモールと卸・店舗とポップアップとSNSの役割と確認条件を示す書籍の表
販売チャネルの役割と確認条件
販売チャネルの表をテキストで読む
自社EC
主な役割:理解・購入・関係・継続。確認する条件:獲得導線、データ、CRM、運用費
モール
主な役割:発見・比較・試用。確認する条件:手数料、価格、発送主体、規約、購入者情報
卸・店舗
主な役割:体験・相談・第三者の信頼。確認する条件:説明品質、在庫、価格、顧客の戻り方
ポップアップ
主な役割:体験・観察・仮説検証。確認する条件:取得する事実、通常販売への接続
SNS
主な役割:継続接触・参加・紹介。確認する条件:発信の役割、反応、運用負荷

チャネルごとに自社ECへの還流導線を設計する

複数チャネルを使うなら、顧客が次にどこへ進むかを事前に決める必要があります。モールで初めて知った人には自社のコンテンツで使い方や開発背景を読んでもらい、店頭で試した人には近くに店舗がなくても継続購入できる方法を伝えます。商品に同梱する案内から相談窓口へ進めることも次の導線です。ここまで用意しなければチャネルは別々の売場で終わってしまいます。

導線は特別な仕組みがなくても作れます。パッケージのQRコードや箱に入れるチラシから使い方の説明や自社ECの商品ページへつなげば、届いた商品そのものが自社ECへの入口になるのです。モールや店頭で買った顧客に自社ECの存在とそこで買う理由を知らせることが導線の役割です。

価格は自社ECで購入すべき理由になる場合があります。セット内容、送料、ポイント、限定品、定期の条件で、自社ECで買うメリットを意図して作ります。モールや店舗で出会った顧客が次は自社ECを選ぶという、還流の仕掛けです。どのチャネルで出会った顧客も、最後は自社ECへ戻ってくる流れを作るべきです。

チャネル別の評価には、売上、粗利、新規顧客、再購入に加え、指名検索、会員登録、相談、レビューを考慮します。完全な追跡ができない場合もあります。そのときは登録時のきっかけ、購入後アンケート、専用QRなど複数の手掛かりを使い、仮説と確認できた事実を分けて評価してください。

本記事は『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』p.87〜89を基に再編集しています。記事単体で読めるように書籍への参照を調整し、本文を「です・ます調」に整えています。

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この記事の著者

山口尚大
山口尚大化粧品・健康食品D2Cコンサルタント・著者
著書3冊|化粧品・健食D2C業界20年。150社250ブランドの実績。新規ブランド立ち上げから既存ビジネスの伸び悩み打開までを事業プロデュース。クリームチームマーケティング代表|日本ネット経済新聞連載中

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・最新刊『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』
化粧品・健康食品D2Cは競争が激しく、正しい戦略や事例に学ぶことが成果を左右します。私たちが支援した150社の事例と最新の戦略をまとめたホワイトペーパーをご用意しました。→今すぐ無料で入手する

山口尚大

著書3冊|化粧品・健食D2C業界20年。150社250ブランドの実績。新規ブランド立ち上げから既存ビジネスの伸び悩み打開までを事業プロデュース。クリームチームマーケティング代表|日本ネット経済新聞連載中

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・最新刊『化粧品・健康食品D2Cのブランド経営』