ペルソナを利用し、顧客がどのような悩みを持っているのか、そのニーズを把握することができれば、その解決策が自社の商品になるようにマーケティングをしていくことが可能になります。
解決策を伝えるために、顧客像にあった伝え方のパターンを考えるのです。例えばオールインワンゲルを例にとってみましょう。
化粧水から美容液、クリームまで全てこの1本でまかなえる。そんなオールインワンゲルを販売するとき、売り方としては様々なアプローチが考えられます。
「ラインで揃えるよりも安い」「他の商品よりも成分の種類が多く、何十種類も入っている」「ひと手間でスキンケアを終えることができて手軽」その内容は様々だと思います。
顧客に訴求する表現には様々な選択肢がありますが、どの選択肢を選ぶのかとなったときに、想定している顧客像をしっかりと捉えていると商品は非常に売りやすいと言えます。
例えばターゲットを子供がいる主婦と想定した場合「毎朝バタバタしていて時間がないあなたへ」「お弁当を作るのに忙しいお母さんへ」「たった 1 分でスキンケアが済ませられます」そのようなメッセージを伝えることができると、共感性が高まるためターゲットにも響き、商品も手に取ってもらいやすくなるのです。
また、商品のロットが限られている中小メーカーの場合、利益率を重視した販売戦略が必要になるため、価格も高く設定しなければ事業としては厳しいところもあるでしょう。高単価で売るためには顧客を説得する必要があります。そのため、販売のアプローチとして、化粧水から美容液、クリームとすべてラインで揃えるとだいたい 15,000 円もかかるけれども、このオールインワンゲルであれば、9,000 円ですべてをカバーすることができます。という形で顧客に訴求すれば、「ラインで揃えるより安く、しかも時短ができる」と、価格に対する説得力を持たせることができます。
商品の顧客像をしっかりと想定すると、顧客が何に悩んでいるのか、関心はどんなことなのかを分析しやすくなります。顧客の関心事を把握することができれば、そこから悩みを創出し解決方法を提示することができるため、顧客の本当の姿を知ることはとても重要であると言えるでしょう。