マーケティングのもうひとつの重要な目的に「セールスを不要にすること」というものがあります。これは、オーストリアの経済学者ピーター・ドラッカーの言葉で「売り込みをせずに自然に売れていく状態をつくりあげること」がマーケティングを行う究極の目的であることを意味しています。
基本的に、顧客はセールスを嫌うものです。例えば、服を買おうとして商品を見ていたら、店員が近寄ってきたので逃げてしまった。そんな話はよく聞きますよね。でも、本当に欲しい服であれば、試着もしますし、色違いがあるかなどお客さんの方から店員に聞いてきます。店員が働きかけずとも商品は売れていきます。これと考え方は同じです。商品をセールスするのはあくまで最終段階、その前にお客さんに欲しいと思わせることが大事なのです。
冒頭に「マーケティングの最終的な目的はセールスを不要にすること」とお伝えしました。つまり、お客さんに商品を「欲しい!」と自然に思わせる役割を担っているのがマーケティングなのです。では実際に欲しいと思わせるように仕向けるマーケティング施策をとっているメーカーがどれほどいるかを考えると、その本質を理解しているメーカーは非常に少ないと思います。多くのメーカーが重視しているのはやはりセールスで、広告を出すことをまず考えてしまうのです。