レスポンスにおける成功法則

効果の出る広告を予測することは不可能

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その答えは、消費者のみぞ知る

広告クリエイティブやランディングページを制作する際、きっとみなさんは熟考を重ねているはずです。「写真はこのほうがきれい」「他社と違うこの成分の効能効果を強く出そう」「このコピーはピンとこないから変えよう」といった具合です。

こんな風に社内で何ヶ月も熟考をした内容なのだから、絶対に良いものになっているはずであり、消費者から反応が取れるものだ、と考えてしまうメーカーは多いのではないでしょうか。しかし、実際にその広告やランディングページを出稿してみると、「思ったような結果が出なかった」「予想外のクリエイティブが良かった」ということは少なくありません。

往々にして、自分たちの考えていた通りの反応が得られることは稀で、むしろ予想に反することのほうが多いものです。「確実に効果のでる広告」とは何でしょう。それを事前に予測することは不可能だと言えます。そのため、「答えは消費者のみぞ知る」というのが、マーケティングの世界では大前提の考え方です。

つまり、何ヶ月もかけて広告を制作するよりも、スピード重視で広告を制作し、その反応をフィードバックとして変更や改善をしたほうが、結果として早期に良い結果を生み出すことができるのです。

そのためには、ある程度の妥協が必要となってきます。アメリカのある有名起業家が言うように、「狙え、構え、打て」ではなく「構え、打て、狙え」なのです。ゴールは結果の出る広告を制作することですから、早いうちに実際に出稿し、消費者に答えを求めたほうが、良い広告が出来るまでの時間は短縮できるのです。

Young Woman Shopping Consumer Concept

テストは義務と言われる理由

その際に利用される一般的な手法として、ABテスト(スプリットランテスト)が挙げられます。これはキャッチコピーや画像を変えたランディングページを複数用意し、どれがより効果的なのか、一定期間内での成果を検証するマーケティングの手法です。

例えば「A」というページひとつしかなければ、もしそのページの反応が悪かったとしても「ダメだった」という事実だけでしか評価できません。しかし、「B」という別のパターンのページがあれば、それと比較し、どこが違ったからどのような効果を生んだのかを検証、改善することができます。

ABテストでは、A・B両方のパターンの結果を検証し、その内容を比較することで改善点を導き出し、広告としての質を上げていくのです。正しくテストを行うことで、間違いなく広告効果や消費者からの反応は上がっていきます。

クリック率やコンバージョン率など、統計上の数値で効果がわかるため、テレビCMや雑誌など消費者からの反応が直接わからない手法とは異なる、ダイレクトマーケティングだけの特権でもあるのです。ABテストから得られる市場からのフィードバックは、良い広告を作る上で非常に重要な情報になります。

Student doing the test exam

大きな部分から小さな部分へ

では、実際のクリエイティブのABテストはどのように行うべきなのでしょうか。

ABテストは、「消費者に与える影響が大きな部分」から「小さな部分」へと検証を進めることがポイントです(図8)。

例えば、化粧水の広告を作る場合を想定してみましょう。同じ商品について「毛穴の悩みについてフォーカスし訴求していくパターン」と、「保湿効果の高さについての効能効果を訴求していくパターン」の2つをつくります。たとえ同じ商品だとしても、訴求する内容が異なるため、消費者に伝わる情報や印象は全く異なったものとなります。

具体的には、ファーストビュー(広告やランディングページにアクセスしたユーザーが最初に見る画面の範囲)において、どのような内容を訴求しているかが最も重要です。このように、まずはわかりやすい大きな訴求軸をテストしていくことから始めて、どちらの訴求軸の反応が良かったかを検証し、効果の良かったものを採用していきます。

そしてさらに別の訴求軸のテストを行います。その次は、もう少し細かい部分の表現やライティングの検証を行います。上記の例で言えば、保湿効果の高さに訴求するコピーを変えてみるとどうなのかを検証します。「潤い」という表現がいいのか、「極潤肌」という表現のほうが反応がいいのかなど、キャッチコピーも無数に存在します。

表現のテストが終わったら、次に写真を変更してみるとどうなのかを考えてみます。商品の写真がいいのか、モデルの写真がいいのか、またはユーザーが撮影した雰囲気の写真がいいのかなどということです。

大きな部分から小さな部分へと、段々と変更箇所を狭めていきます。ポイントは、コピーや写真など複数の要素を同時に変えるのではなく、どちらか一部のみの要素だけを変更してテストするということです。複数の要素を変えてしまうと、どの変更が結果に影響したのかがわからなくなってしまい、テストの検証効果が半減してしまいます。

ちなみに、AとB、2つのパターンで検証するよりも、ABCと3パターンあったほうが、より早く効果の高い広告を作るための情報が得られます。なるべく早期に効果の高い広告を作るため、最初から5~10パターンのランディングページを用意し、検証することで、無駄な広告費を使わずに済むという面もあります。

最近では「Googleオプティマイザー」といった無料で利用できるツールもありますから、それを利用することで効率的に広告効果のテストを行うことができます。このように、緻密な設計のもと、正しくテストを行っていくことで、間違いなく広告効果や反応が上がっていきます。なぜなら、悪い要素を排除して良いものを取り入れていくプロセス上、そのような結果が導き出されることは明確だからです。

図8:クリエイティブABテストの考え方

効果の出る広告を予測することは不可能 | 通販化粧品・健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援とコンサルティング

この記事の著者

効果の出る広告を予測することは不可能 | 通販化粧品・健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援とコンサルティング
山口尚大EC・通販コンサルタント クリームチームマーケティング代表兼CEO
2006年より化粧品、健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援を行い、これまで150社250ブランド超の売上アップを実現。業界に特化した豊富な経験やノウハウ、リソースを提供している。