レスポンスにおける成功法則

行動心理学をもとにアイデアを考える

Schoolgirls walking outdoors

すべての人間に共通する行動心理を知る

行動心理学とは、人間のある行動を観察し、そのときにどういった心理にあったのかを分析した学問です。

人間の持つ基本的な欲求や心理は、人種や国籍、時代を超えて普遍的なものだと言えます。その欲求や心理を、経済活動やマーケティングの観点から分析し、体系化したのが「行動心理学(行動経済学)」です。

例えば、欲しいと思った商品をどのようなきっかけで購入したのか、毎月定期購入していた商品をなぜ解約するに至ったのか、どうしても買おうと思っていた商品をなぜ後回しにしたのか、ということを分析します。

つまり、人が何を考え、その行動をとるに至ったのか。その行動に伴う心理状態とロジックを分析する学問が行動心理学なのです。行動心理学は、「直接個々の消費者にアプローチして反応を得る」というダイレクトマーケティングを行うにあたり、非常に重要な考え方となります。なぜなら、ある行動に至る意思決定のプロセスを知っておくことで、人を動かすことがとても簡単になるからです。そのため、行動心理学の知識は、ダイレクトマーケティングにおいて最も重要なポイントになるのです。

The crowd of best friends

「マズローの欲求5段階説」を理解する

すべてのビジネス施策のゴールは、消費者にある影響を与え、狙った行動を取ってもらうことです。

この書籍におけるテーマで言えば、「商品を購入してもらうためには、どのような影響を与えれば良いのか」と言い換えることができます。それを考える際に、絶対に知っておかなければならないのは人間の基本的な欲求を表した、「マズローの欲求 5 段階」です(図 10)。

聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。人間の欲求を 5 段階のピラミッドで構成し、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するという心理学の考え方です。この 5 段階の欲求を元に、「なぜ人は物を買うのか」と具体的に落とし込んでいくと、人が物を買う理由や本質的な要素が見えてきます。

例えば「キレイな服を着たい」とか「異性から少しでもよく思われたい」など、誰もが思うような感情は 5 段階の欲求で言うと、「社会的欲求」や「尊厳欲求」があるから、と説明がつきます。そういった欲求を刺激することで「なぜこれを買うのか?」を理由づけできるようになります。消費者を動かすための広告やオファーなど、様々な施策を考える際には、この理由付けをしっかりと意識した上で決めなければなりません。

これは、消費者にどのようなメッセージを伝えるべきか、という表現の部分にも同様に当てはまります。あらゆる広告施策や表現を考える際に、ベースとなるのが行動心理学なのです。

図10:マズローの欲求 5 段階説

行動心理学をもとにアイデアを考える | 通販化粧品・健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援とコンサルティング

人はなぜ物を買うのか

「マズローの欲求 5 段階説」に加え、覚えておくべき重要な原則があります。それは「人はある感情を元にして何かを買う」ということです。みなさん、誰しもそうだと思いますが、何かを欲しくなる瞬間というのはあれこれ頭では考えていません。

「ああ、このワンピースとても素敵」「この時計かっこいい !」そんな直感的な感情が最初にあるのではないでしょうか。そういった感情が元にあり、それを正当化し、強化していくために、商品のスペックや自分の置かれた状況などの理由を集め、商品を購入するためのロジックを積み重ねていっているはずです。

「家に赤い服が足りないから、赤い服を買わなきゃ」そう考えて買う人はほとんどいません。多くの人は「自分の好きな赤色の素敵な服だなぁ」という感情を抱き、そのあとに「そういえば、赤い服はあんまり持ってなかったな……」という理由を重ねて、最終的に「買う」という行為に至ります。

また、ブランド品であればあるほどこのような感情が大きく影響します。高級時計のロレックスを例にとって考えてみましょう。時計の基本的な用途は、時間を知ることです。時間を正確に知るだけならば、今やスマホでも全く問題はありません。しかし、あえて何十万円もするロレックスという高級時計を購入するというのは、やはりそこに時間を知るという用途以外の価値を感じ、感情や欲求が満たされているからなのです。ロレックスを腕にはめることで、自信につながる人もいますし、「自分を立派に見せたい」と考えている人もいるかもしれません。物を売りたいならば、買う人の感情がどのように揺さぶられるのか、どう満たされるのかまでを意識するべきだと言えるでしょう。

図11:人が物を買う理由

行動心理学をもとにアイデアを考える | 通販化粧品・健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援とコンサルティング

この記事の著者

行動心理学をもとにアイデアを考える | 通販化粧品・健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援とコンサルティング
山口尚大EC・通販コンサルタント クリームチームマーケティング代表兼CEO
2006年より化粧品、健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援を行い、これまで150社250ブランド超の売上アップを実現。業界に特化した豊富な経験やノウハウ、リソースを提供している。