業界の未来と成功へのヒント

D2Cビジネスで再び注目されるFace to Faceで接点を持つ価値

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クリームチームマーケティングでは150社250ブランドの支援実績と独自のノウハウを元に、戦略立案から施策実行まで一気通貫して支援しています。化粧品・健康食品D2Cビジネスに課題がある方はお気軽にご相談ください。⇒無料のパーソナルコンサルティングで相談する

店舗を持つことのメリット

通販ビジネスにおける販売チャネルは、基本的にはECサイトが中心です。そのため、どういった顧客が商品を買っているのか、顧客の顔が見えないケースがほとんどです。

通販メーカーは実店舗がないことも多く、それが当たり前だと感じている人がほとんどではないでしょうか。

しかし、インターネットが主流となっている今だからこそ、これからの時代にメーカーとして成功していくことを考えるならば、顧客との直接的な接点の価値に注目していくことが重要になってきます。FacetoFaceの接客、つまり直接顧客の顔が見える店舗を持つことが、未来の成功するメーカーの重要な

要素になってくるのではないか。私はそのように考えています。

実店舗を持つと、顧客との直接的な接点を持てるだけでなく、顧客に様々な「体験」をしてもらえるというメリットもあります。

例えば、顧客の意表を突くようなイベントやサービスを提供することができれば、多くの顧客の興味を引くことができます。最近では顧客の興味がSNSの拡散や口コミなどの宣伝に繋がるため、そのような仕掛けが直接売上に繋がることも多いのです。

また、店舗に顧客が来店することで、店のデザインや雰囲気など、インターネット上の広告やウェブサイトでは伝えづらいブランドのメッセージやイメージ、世界観をはっきりと伝えることができるのも店舗を持つメリットだと言えます。

顧客と直接の接点を持ちにくいネット通販だからこそ、魅力的な要素を取り揃えたFacetoFaceのコミュニケーションを積極的に取り入れていくべきでしょう。

Open signboard.Bicycle.Creative sign for the store.

アップルストアがある理由

ECサイトと同時に、実店舗のオフィシャルショップを持っていることで有名なのが、Apple社です。Apple社の商品は家電量販店でも購入することが可能ですが、家電量販店にはないサービスやオプションも多くあるため、ECサイトを利用するユーザーが多くいます。

では、実店舗であるアップルストアは何のためにあるのでしょうか。アップルストアは東京や大阪、福岡など主要都市に複数店舗が出店されています。

Apple社では、アップルストアは商品を買う場所ではなく、実際に商品を試してみたり、ブランドのイメージや雰囲気を体験したりするための場所であり、情報を伝える媒体の一つだととらえています。

商品を対面で販売するだけであれば、オフィシャルサイトだけでなく家電量販店など多くの販路がすでにあるわけです。しかし、あえてアップルストアという実店舗を出しているのは、そこに来店したユーザーにAppleの世界観を伝えたいと考えているからに他なりません。

アップルストアでの体験やサービスからブランドの世界観を感じてもらい、長期的な目線で商品の購入に繋げる。通販ビジネスのメーカーでも、Apple社のような顧客との接点を考えたサービスを提供することができれば、大きな成功を掴み取れる可能性が高いでしょう。

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店舗はお金がなくても作れる

「店舗を作るのは大変」「お金がかかりそう」店舗を出店するメリットをどれだけ感じたとしても、実際に作るとなるとハードルは高いでしょう。確かに、一般的な実店舗を持つとなると大きなコストがかかります。しかし、工夫さえすればコストや労力をかけずに店舗を出すことは可能なのです。

例えば百貨店の催事などへの出店や、数日から数週間のみ出店する、期間限定のいわゆるポップアップストアなどが良い例です。

催事やポップアップストアであれば期間も限られているため、どこかに不動産を借りる必要はありません。また、想定しているよりもはるかに低いコストで出店することも可能です。最近ではレンタルスペースなど、空いているスペースを簡単に借りることができるサービスもあるため、比較的短時間でコストをかけずにゲリラ的に店舗を作ることも可能です。

他にも美容室などに掛け合って、空きスペースに商品を置いてもらう「ジョイントベンチャー」という方法も有効です。

工夫さえあれば、低予算かつ小さな労力でも店舗を持つことはできます。「お金がかかるから、やらない」というのではなく、どうしたら顧客との直接的な接点を持つことができるのかを考えていけば、自ずと良い方法は思い浮かぶのではないでしょうか。要するに、自分の頭で考えて「やろう」と決意する、その熱量が大切なのです。「店舗はお金がかかるから無理」「絶対大変だ」と思ってしまったら、その時点で終わってしまうのです。

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実体があることで信頼に繋がる

ネット通販では直接商品を手にとって買うわけではないため、実体が見えない部分も多くあります。顧客にとっては本当か嘘かもわからない状態で商品を買わなければならない、不安を感じやすい取引であると言えます。

しかし、多少のコストと労力をかけるだけでその不安を取り除くことができ、顧客から大きな信用を勝ち取ることができるならば、店舗を持つことの意義は大きいと言えるでしょう。

実際に目で見て、触れてもらい、存在を顧客に感じてもらえることは、非常に大きな魅力となります。

店舗に訪れた時に肌で感じられる、そのブランドの雰囲気やイメージは、どんな優れたウェブサイトよりも強い印象を与えるものです。

顧客との直接的な接点を持つことは、売上をあげるということ以上に、顧客に様々なことを伝えることができるというメリットがあるのです。

これから先、そのような方向性を見出すことができる通販メーカーこそ、より価値の高い商品やブランドをつくっていくことが可能になるはずです。

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この記事の著者

D2Cビジネスで再び注目されるFace to Faceで接点を持つ価値 | 通販化粧品・健康食品業界に特化したコンサルティングとダイレクトマーケティング支援
山口尚大EC・通販コンサルタント クリームチームマーケティング代表兼CEO
2006年より化粧品、健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援を行い、これまで150社250ブランド超の売上アップを実現。業界に特化した豊富な経験やノウハウ、リソースを提供している。

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・書籍と同名のコラムを日本ネット経済新聞にて連載中