既存顧客に手軽にアプローチできる手段として最初に変えられるのが、メールマガジンの配信です。そこで問題になるのが「いつ、どのくらいの頻度で送ったらいいのか」ということです。
結論からお話しすると、メルマガは、より多く、頻繁に送ったほうが効果的なようです。「今の時代メルマガなんて誰も読んでいないよ」と考えている経営者や担当者も多いかもしれませんが、本当にそうなのかはきちんと検証する必要があります。大量に情報が溢れている現代においては、消費者は自分に関係のないものは無視するものです。それはメルマガであろうがLINE だろうが同じで、メディアの問題ではありません。
例えば、ドライヤーをモールで最安値だったショップから購入し、そのショップから送られてくる他の電化製品のセールをお知らせするメルマガであれば、確かに読まずに無視するかもしれません。しかし、これがもし自分の悩みや関心事に関する内容であれば、話は変わってきます。
例えば、年齢を重ねてきて不足する栄養分を補うためのサプリメントを購入した人は、そのサプリメントだけでなく自分の健康や栄養素の働きなどに関するテーマにも興味を持っているはずです。そのため、そんなニーズを満たすための情報をもっと知りたいと考えているケースが多く、全く無視するということは少ないのです。
また、メルマガや DM は、「読まれないからこそ何度も送る」べきです。例えば公共料金などの督促や役所からの重要な通知は、何度も何度もお知らせが届きます。封筒などの外観や宛名の体裁が変わっていることも多いはずです。それは、必ず内容を読んでもらい、行動を起こしてもらうための工夫なのです。
「メルマガを楽しみに待っている消費者はいない」その前提で考えると、メルマガを開くのは「たまたま」ということがとても多いわけです。そのため、タイミングがとても重要です。消費者のメールボックスにしかるべきタイミングでメルマガが届いていなければ、メルマガを開いてくれません。メルマガの件名やタイトルを工夫しつつ、何度も何度もアプローチすることで、消費者の目に留まり、行動してくれるきっかけとなるのです。
これは以前、私がコンサルティングを担当したメーカーの話です。そのメーカーは、月に一度しかメルマガを送っていませんでした。やはりあまり頻繁にメールを送るのはよくないと思い、その頻度にしていたようです。そこで、これまで月に一度の配信だったメルマガを「週に一度」に変更してもらいました。理由は先にあげたように、メールを読んでもらえるタイミングを増やしたかったからです。通数を増やすといっても、基本的な内容は同じで、件名と冒頭の挨拶文だけ少し変更するだけ。それ以外はほとんど変えずに毎週送ってもらうようにしました。メルマガの配信頻度を上げただけ、本当にそれだけのことでしたが、効果は明らかに出てきました。やはりユーザーの目に留まる確率が増えたのか、売上が大きく上がったのです。中身をほとんど変えず、ただ月 1 配信を週 1 に変えただけでしたので、メーカーの担当者も驚いていました。
「自分だったら絶対に読まない」「私だったらうっとおしいと思ってしまう」と考えてしまいがちですが、やはりアプローチをかけないと販売には繋がらないという原則は理解しておく必要があります。「メルマガを送っても意味がないし、やめておこう」と根拠なく判断してしまうのは非常にもったいないですし、商品名やブランド名がユーザーの目に入るだけでも印象は全く変わってきます。既存顧客の接点として、メルマガはしっかりと送るようにしましょう。