商品設計における成功法則

特化型商品で勝負!顧客の心をつかむマーケティング戦略

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クリームチームマーケティングでは150社250ブランドの支援実績と独自のノウハウを元に、戦略立案から施策実行まで一気通貫して支援しています。化粧品・健康食品D2Cビジネスに課題がある方はお気軽にご相談ください。⇒無料のパーソナルコンサルティングで相談する

カテゴリーワンという考え方

別の記事でもお話ししましたが、競合の多い業界において「カテゴリーワン」を取ることは非常に重要な考え方です。

「カテゴリーワン」というのは、これまでにない新しいカテゴリー=市場を生み出し、その中で一番になるという考え方です。ビジネス戦略、特にダイレクトマーケティングにおいては「他社と競争して勝つ」ことはナンセンスであり、競争をしないからこそ勝てる、という戦略が最も有利にビジネスを進めることができます。特に中小メーカーであれば、他社がひしめき合うカテゴリーで争っても、先行者に勝つことは非常に難しいと言えます。一方、自分が作った市場であれば競合はいないため、いきなりトップになれます。この考え方がカテゴリーワン戦略です。

自分だけの市場を作るというのはとても難しいと感じるかもしれません。しかし、まったく世の中に無いものを作るわけではなく、視点を少し変えるだけで新しいカテゴリーを作ることができるのです。その一例をご紹介します。

どの業界でもそうですが、製品とは人の悩みを解決するソリューションとなっています。例えばエアコンは「暑くて不快だなあ」という悩みに対して室内の温度を下げるための解決策です。掃除機であれば「掃除を楽にできたらいいのに」という悩みに関する解決策です。

化粧品や健康食品は、消費者の美容や健康の悩みを解決するものです。そこで、その悩みを洗い出す方法として「体の部位」×「悩み」でマトリックスを作り、これまでにフォーカスされていなかったニーズを見つけていくのです。

例えば、次ページの図12のように頭皮、おでこ、目もと、など体の部位を横軸に、次に「ニキビ」や「肌荒れ」「毛穴」などの悩みを縦軸に書き、それをかけ合わせた内容を新たなニーズとして検討していくのです。「おでこ×ニキビ」は普通の悩みかもしれませんが「腕×ニキビ」や「おしり×ニキビ」などの悩みにフォーカスすれば競合はいないかもしれません。このように組み合わせると、今までに誰も目をつけていないカテゴリーが出てきます。

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もっと絞るならば、そこで作った新たな悩みにターゲットをかけ合わせます。例えば「子供を持つ主婦」「仕事を持つOL」「ゴルフが趣味の高齢者」などです。そうすると、無限に新しいカテゴリーを創出できるのはないでしょうか。

実際にニーズがあるのかなどの調査は必要にはなると思いますが、実際にこの手法で新しいカテゴリーを見つけて成功したメーカーもあります。カテゴリーワン戦略を進める場合にはぜひ参考にしてみてください。

また、広告コストの面でもカテゴリーワン戦略は有効です。例えば、商品を販売するために広告を出す場合です。リスティング広告であればキーワードごとにいくら費用をかけるのかオークション制になっているため、競合が多ければ多いほど広告費はかさみます。そのため、いかに競合のいないワードを見つけて検索してもらうのか、常に工夫しなければなりません。

逆に言うならば、競合がいないキーワードがあるなら、安く広告を掲載することができるということです。もちろん、見つけたキーワードを検索する人のボリュームが少ないという場合も考えられますが、カテゴリーワン戦略では、検索ボリュームは少ないからこそ良いという考え方になります。

極論を言うならば、すでに検索されているという時点で、それはカテゴリーワンにはならず、競争の中に身を投じることになるのです。

検索が全くされていなくても、その市場を自分が育てるというスタンスで取り組むことで、将来的な優位性を確保できることになります。もちろん、簡単には売上に繋がりませんが、それでも競合が多い中で戦うよりも、成功する確率は高くなるはずです。

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この記事の著者

特化型商品で勝負!顧客の心をつかむマーケティング戦略 | 通販化粧品・健康食品業界に特化したコンサルティングとダイレクトマーケティング支援
山口尚大EC・通販コンサルタント クリームチームマーケティング代表兼CEO
2006年より化粧品、健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援を行い、これまで150社250ブランド超の売上アップを実現。業界に特化した豊富な経験やノウハウ、リソースを提供している。

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・書籍と同名のコラムを日本ネット経済新聞にて連載中