化粧品・健康食品業界の変化

化粧品・健康食品D2C市場の今:抑えておきたい規模と最新トレンド

Cosmetic beauty products on white
クリームチームマーケティングでは150社250ブランドの支援実績と独自のノウハウを元に、戦略立案から施策実行まで一気通貫して支援しています。化粧品・健康食品D2Cビジネスに課題がある方はお気軽にご相談ください。⇒無料のパーソナルコンサルティングで相談する

化粧品・健康食品業界はレッドオーシャン

化粧品・健康食品業界はここ 10 年の間で参入企業が激的に増え、競合がひしめき合うレッドオーシャンになっています。商品がどれほど素晴らしいものであっても、的確なマーケティング戦略を打たなければ、商品は誰にも認知されず、ほとんど売れないと言っても過言ではありません。

view to New York City from Empire State Building

通販化粧品・健康食品ビジネスを成功させるために必要なのは、まず業界の現状をしっかりと把握すること。その上で自社商品の立ち位置がどこにあるのか、しっかりポジションニングし、販売促進計画を立てるべきです。

ここでは、業界についての基本的な知識や現在のトレンドについて紹介していきます。この 10 年の間で環境がどれほど変化したのか、過去と現在を比較してみましょう。

飽和した国内市場と海外での需要増

化粧品業界の市場規模は約2兆円強。2000年以降ほぼ横ばいの状態です。化粧品は女性にとっての必需品であり、リーマンショックの際も大きな変動はありませんでした。化粧品は不況によって左右されない景気の変化に強い産業とも言われています。同時に、今後の人口の減少にともない化粧品の市場規模はこれ以上の成長は見込めず、縮小していくだろうとも予測されていました。しかし近年、その予測は外れつつあります。市場規模が少しずつですが拡大しているのです。

その背景として挙げられるのが、インバウンドや越境など海外からの需要増加です。その影響で国内の市場規模が、少しずつ拡大しているのです。実際、化粧品を製造する国内 OEM の会社からも「海外向けに販売する化粧品の注文が多い」といった声を最近よく耳にするようになりました。日本製の化粧品は「Made in Japan」として高い品質とブランド力が評価され、海外での需要がここ数年で大きく伸びています。今後も、その需要は拡大していくと考えられています。

Tokyo, Japan in the Ginza District

健康食品は拡大期。超高齢社会で今後も伸びる

では、健康食品業界の市場についてはどうでしょうか。『H・B フーズマーケティング便覧 2019』(株式会社富士経済)によると、健康食品業界の市場規模は2010年には1兆円程度でしたが、その後拡大を続け、2018 年には1兆5000億円近くまで規模を拡大しています。

この背景には、2015 年に新設された「機能性表示食品」が健康食品業界の勢いを後押ししたことがあると考えられています。さらに、『健康食品・サプリメント市場実態把握レポート』(インテージホールディングス、2013 年)によると、健康食品の潜在市場規模は 3 兆 5732 億円。現在の 2 倍以上に成長できるポテンシャルがあると推計されています。

2017 年に東京ビッグサイトで開かれた健康博覧会では、出展した企業約 550 社のうち、約半数にあたる 250 社が健康食品に関連する企業であったことからも、その賑わいぶりがうかがわれます。

健康食品のターゲットには、美容に関心のある女性だけでなく、男性も含まれています。また、今後超高齢社会が進むにつれ「いつまでも健康でいたい」というシニアの需要が大きくなることが予想されるため、市場としての伸び代は非常に大きいと考えられているです

Taking supplements

増え続ける化粧品と健康食品への新規参入

拡大の一途をたどると期待されている化粧品・健康食品市場。未来は明るいかもしれませんが、市場規模の拡大が新規参入企業の増加を招くということも忘れてはいけません。実際、ここ数年でかなり多くの企業が、この業界へ参入してきています。新規参入業者は、大きく 2 種類に分けられます。「高い技術力を持った異業種の大企業」と「小回りの利く資本力の低いスタートアップ企業」の 2 つです。

これまで、化粧品や健康食品というのは、美容の専門知識やノウハウが必要不可欠であり、新規参入は難しいと考えられてきました。しかし、先に挙げたように、化粧品や健康食品は不況にも強く、かつこれからの伸び代が期待できる市場ということで、これまで全く関係のなかった異業種からの参入が目立つようになりました。特に他分野で高い技術力を持っていた大企業が、その技術力を美容や健康に活かせるように転換し、参入してくるケースが増えたのです。

例えば、富士フイルムのスキンケアブランド「アスタリフト」が有名です。写真で使われていたフィルム製造の技術を美容に転換して独自の化粧品を作り上げ、今では年商 200 億円を超える一大事業へと発展させました。

これまで本業で培ってきた、高い技術力や膨大な研究内容を転換し、化粧品や健康食品として製品化することで、他社には真似できない、明確な差別化を図ることができたのです。

3d rendering meeting room on office building

参入コストが劇的に下がった

一方で、資本力の低いスタートアップ企業も続々と新規参入をしています。昔は商品の製造コストや店舗などの販売経路の確保など、化粧品・健康食品業界へ参入するには様々な障壁がありました。しかし、インターネットの普及により様々な環境が整備され、新規参入コストは著しく下がっています。

現在では 50 ~ 300 程度の小ロットでも商品を製造できるOEM 会社が増え、販売経路も店舗や卸ではなく EC サイトを通して低コストで販売ができるようになりました。またリスティング広告や SNS を使えば、小額の予算から商品を告知できるようにもなっています。

このような理由から、資本力の低い中小企業もこぞって業界へ参入するようになったのです。

私が支援しているメーカーの中にも、一人社長や、2 ~ 3 名の社員のみで 10 億円規模の EC サイトを運営している企業があります。小資本かつ小規模であっても、メーカーとして十分成立する時代なのです。

Using laptop

市場は有象無象のブランドで溢れている

独自の技術力やノウハウのある大企業と、小資本だが小回りの利く中小企業。この両者が 10 年の間に化粧品・健康食品業界に続々と新規参入をした結果、競合がひしめき合う状況になっていると考えられます。現在、日本の化粧品メーカーの数は 2 万を超えるとも言われています。2 万というと、全国にあるセブンイレブンの店舗数を超えるので、どれだけ多くのメーカーが新規参入してきたのか、ご理解いただけるのではないでしょうか。また、新規参入したメーカーのうち、その半数以上は創業して 1 年以内に潰れてしまうというデータもあり、多くのメーカーが参入しては、競争に負け消えているのが現状です。新規メーカーの参入は今後も減少することはなく、ますます増えていくことが予測されます。市場での競争の激化は避けることができないと言えるでしょう。

Various cosmetics and paper merchandise bag flatlay

この記事の著者

化粧品・健康食品D2C市場の今:抑えておきたい規模と最新トレンド | 通販化粧品・健康食品業界に特化したコンサルティングとダイレクトマーケティング支援
山口尚大EC・通販コンサルタント クリームチームマーケティング代表兼CEO
2006年より化粧品、健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援を行い、これまで150社250ブランド超の売上アップを実現。業界に特化した豊富な経験やノウハウ、リソースを提供している。

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・書籍と同名のコラムを日本ネット経済新聞にて連載中
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