マーケティングにおける成功法則

法律は変わる:化粧品・健康食品D2C事業者が常に把握すべき最新の規制

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規制の厳しい化粧品・健康食品業界

化粧品・健康食品業界で生き残るために避けては通ることができないのが、薬機法や景表法などの法律に関する知識です。

2018 年、ある青汁を販売していた企業が「飲めばやせる」と科学的な根拠もなく宣伝して商品を販売したということで、景品表示法違反の優良誤認にあたるとされ、約 1 億円の課徴金の納付が命じられました。このニュースは業界内でも大きな話題となったのを記憶しています。

化粧品や健康食品業界において、法律の知識は不可欠です。人の健康に直結する商品ということもあり、他の業種に比べると規制はかなり厳しいと言えます。

実際、2018 年に景品表示法に違反した 52 件のうち化粧品・健康食品関連の企業が 23件と、かなり多いことがわかります。上記のニュースにもあるように、最低限の法律の知識を持っていなければ商品の魅力をしっかりと伝えられないだけでなく、多額の課徴金や謝罪のための広告の掲載など、金銭面や経営面で大きなリスクを抱えてしまう可能性があることは理解しておかなければなりません。

Danger!

化粧品・健康食品を販売する上で知っておくべき法律

①食品衛生法:名称、添加物、期限表示等の表示の遵守

② JAS 法:原材料名等の表示

③ 健康増進法:栄養表示基準の遵守、健康の保持増進効果等に関する虚偽・誇大な表示

④景品表示法:優良誤認、有利誤認等不当表示

⑤薬機法:医薬品的効能効果等の標ぼう

⑥特商法:通信販売の広告の義務表示、誇大広告

ここに挙げている法律の中でも特に注意しなければならないのが、やはり「景品表示法」であると言えます。なぜなら違反した場合の金銭的なリスクが非常に高いからです。

薬機法においても広告規制違反で「2 年以下の懲役もしくは200 万円以下の罰金、またはこの両方」が科せられる可能性があります。しかし、景品表示法は「2 年以下の懲役又は 300 万円以下の罰金」に加えて、先に挙げた課徴金制度があり、より罰則が重くなっているのです。

訴求力の高い広告を作ることは非常に重要ではありますが、法に抵触してしまうと罰金や課徴金だけでなく、企業名も公開されます。これまで培ってきた商品のブランドが大きく損なわれることになるため、大きな損失に繋がってしまいます。ただ、法律で認可されている表現を意識しすぎてその内容に愚直に従いすぎてしまうと、商品の魅力を伝えることが難しくなります。そのため、メーカーとしては広告を作る際に法律に抵触しないラインがどこにあるのか、しっかりと見極めて広告の表現内容やメッセージを工夫しなければならないのです。

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他社の広告表現を研究する

大手の企業であれば社内に法務部があり、広告制作後にリーガルチェックの仕組みが存在していますが、これが中小メーカーになると担当者レベルで判断をしなければならないケースがほとんどだと思います。そのような場合、広告としてどこまでの表現を使って良いのかを見極めるラインとして、Yahoo! や Google、@cosme など有名媒体に掲載されている競合他社の広告を研究することが不可欠です。

例えば Yahoo! に掲載されている広告をひとつずつチェックしていくのです。有名媒体は独自に表現の規制を行っています。特に、コンプライアンスのしっかりしている大手メーカーの広告を研究してみるといいでしょう。法律の範囲内で訴求力のある表現を工夫しているため、とても参考になると思います。その他にも、違反事例を教訓にするという方法も有効です。

消費者庁では景品表示法に違反した業者名と詳細を「景品表示法に基づく法的措置件数の推移及び措置事件の概要の公表」という形で公開しています。景品表示法で違反した業者がどのような広告表現を使ったことにより、法律に抵触したのかという詳細が具体的に説明されているため、広告表現のラインを見極めるための参考になります。

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薬事法ガイドラインとJADMA評価項目

自社で広告を作成する場合には、日本化粧品工業連合会が 2017 年に作成した「化粧品等の適正広告ガイドライン」に目を通し、どのような表現が問題となるかをしっかりと把握しておくといいでしょう。

昔はこのガイドラインの解釈も曖昧で、表現の規制がかなりゆるい時期もありました。しかし、現在ではこのガイドラインが厳格に運用されています。

化粧品などの広告に携わるすべての人が、適正で効果的な広告作りのための新たな指針となることを目的として作られたこのガイドラインは、化粧品に関する広告表現について丁寧かつわかりやすく説明しています。

また、公益社団法人日本通信販売協会(通称 JADMA)では通信販売という視点から、通販事業者が遵守すべき基本的事項として、「通信販売倫理綱領」を定め、それに基づき作られた、「JADMA 広告適正表示の評価項目」を公開しています。この JADMA の評価項目はチェックリストになっており、特定商取引法・景品表示法 ・薬機法 ・健康増進法・個人情報保護法、それぞれの法律の広告表現に関する規制について確認することができます。これも商品販売をする上でとても重要な指針になりますので、ぜひ活用するといいでしょう。

チェックしておくべきサイトを次にまとめましたので、確認してみてください。

図6:チェックスべきサイトリスト

法律は変わる:化粧品・健康食品D2C事業者が常に把握すべき最新の規制 | 通販化粧品・健康食品業界に特化したコンサルティングとダイレクトマーケティング支援

この記事の著者

法律は変わる:化粧品・健康食品D2C事業者が常に把握すべき最新の規制 | 通販化粧品・健康食品業界に特化したコンサルティングとダイレクトマーケティング支援
山口尚大EC・通販コンサルタント クリームチームマーケティング代表兼CEO
2006年より化粧品、健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援を行い、これまで150社250ブランド超の売上アップを実現。業界に特化した豊富な経験やノウハウ、リソースを提供している。

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・書籍と同名のコラムを日本ネット経済新聞にて連載中
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