ECシステムにおける成功法則

ユーザーの心をつかむデザイン! ECサイトUIの成功要因とは

Top view of color circle and sketches of mobile user experience design on wooden table
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スマホ対応ではなくスマホ「専用」サイトが必要

女性をターゲットとした化粧品ECサイトへのアクセスは、すでに8割以上がスマホ経由だと言われています。最近あまりアクセス解析を見ていないという方も、これを期にAnalyticsを確認してみてください。思った以上にスマホ比率は高まっているはずです。

先日、あるメーカーの担当者の方がスマホとPCでのアクセス数の比率を調べていたときのことです。比率は、半々くらいだろうと想定していると、なんとスマホユーザーのアクセスが9割近くになっていたのです。それが「スマホをメインとしたマーケティングを考えていただけますか」と、ご相談をいただくきっかけになったのです。「スマホ中心」への変化は、様々な場所で顕著に出ています。マス広告でも、通勤中に電車内で中吊り広告を見て、それをスマホでチェックして購入、というような流れになっています。そういう時代ですから、もはやサイトがスマホ「対応」になっているというだけでは不十分です。いまやECサイトはスマホから閲覧されることを前提に、スマホ「専用」のサイトになっていなければ商品は売れなくなっていくということを意識しなければいけません。

Website designer work table with laptop and a smart phone on a wooden desk

もはや化粧品ECサイトにはPC版は必要ない

化粧品ECサイトに関して言えば、もうPC版のサイトは必要ないというのが私の考えです。これまでお話ししたように、現在のECサイトのアクセス・売上のほとんどがスマホ経由だからです。そのため、これから新たにECサイトやランディングページをつくったり、リニューアルしたりするというのであれば、一旦PCサイトの事は考えず、スマホでどのようにサイトが見られ、情報が伝わるのかを意識して制作したほうがよいでしょう。

つまり、完全に「スマホファースト」で考えられたECサイトを制作するのがいいということです。

みなさんは普段、仕事ではスマホではなくPCを使用していると思います。ECサイトの制作も基本的にはPCを使うでしょうから、どうしても「スマホでどのように見られているか」という点は軽視されがちです。こういった環境だとどうしてもスマホファーストのサイトが作りづらくなってきます。極端にいうと、「PCサイトはもう必要ない」という意識でECサイトを制作しないと、本当にスマホファーストを考えたECサイトを作ることができません。

「そうは言っても、PCユーザーも無視できないし……」と考えるのも理解できますが、一旦その意識はリセットしてみましょう。これまで、当たり前のように「PCサイトがあり、それをスマホ対応にする」というようにECサイトは制作されてきました。そのため、とても考えづらい話ではあると思いますが、これまでの既成概念を一旦壊し、スマホだけで閲覧でされるECサイトを考えるのがよいのです。

Businesswoman using smart phone

Wi-Fiではなく、4G回線で考える

スマホファーストの時代において、もうひとつ忘れてはいけない重要なポイントがあります。それがECサイトの表示速度です。表示速度はECサイトの直帰率に大きく影響します。結果的に、販売機会の損失にも繋がってしまいます。

実際、Amazonの調査では、表示速度が0.1秒向上すると1%収益がアップすると言われているそうです。ECサイトの作りやデザインがいくらスマホに最適化されていても、表示速度が遅ければ、売上には繋がりません。

表示速度を考えるときに重要なことは、消費者はどんな通信回線でサイトを閲覧しているかという点です。ECサイトの制作をする場合は、社内のWi-Fi環境下で作業を進めることがほとんどだと思います。しかし、実際の顧客を想定すると、自宅であればWi-Fi環境がある家庭も多いかもしれませんが、外出先ではキャリアの4G回線を使っています。もしかすると、自宅にもWi-Fi環境がない家庭もあるかもしれません。つまり、ECサイトはWi-Fi環境だけではなく4G回線で閲覧されることを考慮して制作する必要があるということです。画像を使って表現することが多いランディングページでは、画像の圧縮や、コーディングの工夫、上から段階的に画像を読み込ませるスクリプトの実装など、サイトデザインとは異なる部分もしっかりと考えて制作する必要があります。

また、最近はランディングページに動画を使うことも増えています。その場合も読み込み速度が極端に重くならないような工夫が必要です。

別の記事でお話ししたように、商品メッセージやストーリーをわかりやすく伝えるためには、動画を使うことは効果的です。その際は、容量を小さくできるアニメーションGIFを使うとよいでしょう。アニメーションGIFは、パラパラ漫画の原理で画像を動かすため、動画よりもはるかに容量は軽く、かつ動きのある印象的なページを作ることが可能になります。

Tele-radio tower

スマホで閲覧されるとはどういうことか

スマホファーストでECサイトやランディングページを作る際に重要なことは、デザインだけではなく、その使いやすさです。

PCとスマホで大きく違うのは、操作方法です。スマホでは、マウスではなく指で画面を操作し、サイトを閲覧していきます。すると、スマホ特有の考え方として「指を使ってボタンがタップしやすいかどうか」という課題が出てきます。スマホでボタンをタップするとき、ほとんどの方は親指が人差し指を使います。その際、ボタンのサイズが小さいと、違う場所を間違えてタップしてしまうこともあり、非常に使いにくくなります。このようなことを十分に考えずに作られたスマホサイトでは、ボタンが小さすぎてタップしづらいということがよく起きります。実際問題として、これが離脱要因のひとつにもなっているため、人差し指や親指で押されることを前提にしたサイズのボタンを実装しなければなりません。

ちょっとしたTipsをお話しすると、ボタンに表示する文言も工夫したほうがクリック率は高くなります。「購入する」や「カートに入れる」という文言よりも、「77%オフで今すぐ試す」という文言のほうが、明らかにクリック率が高くなります。なぜなら、具体的なメリットを示すことで、購入への最後のひと押しとなるからです。こういった細かい文言も、「マイクロコピー」と言って購入率を大きく変える要因となりますので、検証してみるといいでしょう。

Young person using credit card and mobile phone. Online shopping, e-commerce concept

この記事の著者

ユーザーの心をつかむデザイン! ECサイトUIの成功要因とは | 通販化粧品・健康食品業界に特化したコンサルティングとダイレクトマーケティング支援
山口尚大EC・通販コンサルタント クリームチームマーケティング代表兼CEO
2006年より化粧品、健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援を行い、これまで150社250ブランド超の売上アップを実現。業界に特化した豊富な経験やノウハウ、リソースを提供している。

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・書籍と同名のコラムを日本ネット経済新聞にて連載中