売れる商品をつくる

売れる商品をつくる(1) 製品コンセプト

Skin care cosmetology products
クリームチームマーケティングでは150社250ブランドの支援実績と独自のノウハウを元に、戦略立案から施策実行まで一気通貫して支援しています。化粧品・健康食品D2Cビジネスに課題がある方はお気軽にご相談ください。⇒無料のパーソナルコンサルティングで相談する

顧客数・単価・購入頻度

たとえば月間1,000万円の売上をつくりたいとき、製品単価が1,000円であれば1万個を売らなければなりません。しかし製品単価が1万円であれば、1,000個を売れればいいわけです。同じ「1,000万円」という数値ですが、単価をどう設定するかによって、売上のつくり方は大きく異なります。

また、多くの化粧品や健康食品メーカーが定期購入という販売方法を採用しています。

定期購入とは都度商品を購入せずとも自分の気に入った商品が決まったサイクルで定期的に自宅に届くシステムです。顧客のメリットしては都度注文する手間が省け、少しお得に購入できます。Amazonでも「定期おトク便」として用意されており、馴染みがあるかもしれません。メーカー側のメリットとしては1人の顧客からの購入頻度(一定期間内での購入回数)がある程度確定し、売上が予測しやすくなります。

一度定期購入を申し込んでくれた顧客は、商品が気に入ればしばらくは継続してくれます。メーカーによっては「3カ月以上」「半年以上」と定期購入の契約期間を設定しているところもありますが、その期間は安定して売上が立つことになります。

定期購入ではなく単発購入の場合、一度購入した顧客にもう一度「買う」というアクションを取ってもらわなければなりません。顧客はまた商品をカートに入れて決済手続きをおこなう手間が生じますし、メーDay12066カー側としてもいつ顧客が購入してくれるのかが読めません。購入意思はあるものの、買うという手続きが面倒で購買頻度が下がってしまうこともよくあることです。定期購入にするのか単発購入にするのかによって、購買頻度にも影響が出てきます。

 

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EC・D2C ビジネスと卸とでは、 価格戦略は大きく異なる

卸とECでは価格戦略が大きく異なります。これは、今まで卸をメインに事業を展開してきたメーカーには特に意識してほしいところです。

先ほども触れましたが、卸の場合は競合他社といっても卸先の店舗に並んでいる同じカテゴリーの製品くらいなので、せいぜい多くても数十種類です。どの商品を買おうか決めないまま来店した人でも、類似する商品をパパッと見比べて安い方や機能が優れている方を選ぶことが多く、何時間もかけて商品を選ぶことはほとんどしません。「予算の範囲内でよさそうな製品」が選ばれることが多いため、卸の価格戦略はシンプルです。

しかしEC・D2Cビジネスの場合はそうはいきません。検索すればするだけ商品がヒットしますから、ユーザーは言わば商品を選び放題です。時間が許す限り気になる製品を比較検討することができますから、価格だけではなく、デザインやレビュー、決済の方法や送料がかかるかどうかなど、製品そのものではなく周辺の要素も比較検討の対象になります。そこを想定した上で価格戦略を練る必要があります。

A vintage balance

見落としがちなコスト

商品価格にはある程度のコストを上乗せして設定するものですが、必要なコストを見落としてしまうと思うように利益が出ません。特に通販やEC独自のコストについては、どのようなコストがかかるのかを認識しておく必要があります。

コストとして最も大きいものが送料です。ECや通販市場の拡大によって配送業者の人手が圧迫されており、慢性的な人手不足であることから、送料は年々高騰しています。2019年にヤマト運輸がAmazonの当日配送から撤退したことは大きなニュースになりましたが、背景として、荷物が急増したことによるヤマト運輸側の負担の増加がありました。

配送業者の負担が増えれば、送料値上げの交渉は避けられません。今後も送料が高騰する可能性が十分にありますから、特に注意しておきたいところです。

このほかにも、倉庫のレンタル料などのコストも必要です。また、決済手数料や梱包資材、同梱物の印刷費、ECサイトのレンタルサーバー代なども、EC・D2Cビジネス独自のコストと言えるでしょう。

Scissor, money and note with text COST.

この記事の著者

売れる商品をつくる(1) 製品コンセプト | 通販化粧品・健康食品業界に特化したコンサルティングとダイレクトマーケティング支援
山口尚大EC・通販コンサルタント クリームチームマーケティング代表兼CEO
2006年より化粧品、健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援を行い、これまで150社250ブランド超の売上アップを実現。業界に特化した豊富な経験やノウハウ、リソースを提供している。

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・書籍と同名のコラムを日本ネット経済新聞にて連載中