化粧品・健康食品業界の変化

業界を取り巻く「法律の規制と緩和」

Regulations book. Law, rules and regulations concept.
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市場の活性化を図る「緩和」

化粧品・健康食品業界に関係する法律は、大きく2つの種類に分けられます。ひとつは商品を作るための法律、もうひとつは、作った商品を販売するための法律です。

まず、商品を作るための法律について、ここ10 年の流れを見るとゆるやかに緩和されているという印象です。もともと化粧品に関しては、2001年4月に薬事法に基づく化粧品の制度について大幅な改正が行われ、これまで厚生労働大臣の承認が必要であった「化粧品承認制の原則廃止」など大きく緩和されました。

そして、その流れに合わせるかのように、健康食品業界でも、製造に関する法律はメーカーにとって緩和方向に動いています。

その代表例が、2015年4月から施行された「機能性表示食品制度」です。これまでは「特定保健用食品」いわゆるトクホや、「栄養機能食品」がありましたが、その取得には国の厳しい審査が必要であり、取得費用や時間的なコストがメーカーにとっては大きな負担でした。

それに比べ、「機能性表示食品」は安全性や機能性の科学的な根拠があれば、消費者庁に届出を提出することで食品の機能性を表示することができます。メーカーとしては、健康食品の販売がしやすくなったと言えるでしょう。

Plastic danger concept

消費者を守るための「規制」

一方で、商品を販売するための法律はとても厳しくなりました。特に広告の表現に関する規制は、ここ5年で急激に厳しくなったという印象です。これは化粧品・健康食品業界のみならず、社会全体の流れが規制方向に働いていて、それにならった形だとも言えます。

これらの背景としては、「消費者の声が大きくなった」という点が要因として挙げられます。テレビをはじめとするメディアの自主規制もそうですが、事業者のコンプライアンスを消費者がしっかりとチェックする時代になってきたのです。特に、化粧品や健康食品は肌に塗付したり身体に吸収されたりする商品です。健康被害に直接関わるため、罰則も他の商材に比べてかなり厳しいものが多いのです。

現行の薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)では、第66条「虚偽・誇大広告」、第68条「未承認医薬品の広告の禁止」に違反した場合には「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金(または併科)」が科されています。しかし、今後はこれらの罰則に加え、景表法ではすでに導入されている課徴金制度も検討されています。国としては、消費者を守り健康被害を防ぐための規制を強化しなければならないということでしょう。昔のようにグレーな表現を攻めるといった考え方は危険です。広告表現に関しては、さらに規制が強化されていくことは明らかですので、そのリーガルリスクをしっかりと認識する必要があります。

Insurance application

この記事の著者

業界を取り巻く「法律の規制と緩和」 | 通販化粧品・健康食品業界に特化したコンサルティングとダイレクトマーケティング支援
山口尚大EC・通販コンサルタント クリームチームマーケティング代表兼CEO
2006年より化粧品、健康食品業界に特化したダイレクトマーケティング支援を行い、これまで150社250ブランド超の売上アップを実現。業界に特化した豊富な経験やノウハウ、リソースを提供している。

・著書『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』
・著書『化粧品・健康食品EC・D2C新規参入パーフェクトガイド』
・書籍と同名のコラムを日本ネット経済新聞にて連載中
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